「成長」の瞬間 【「 自信」はここからはじまった。 】
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強い自覚に火が点いた。社名から個人名に呼ばれ方が変わったその瞬間

佐川急便株式会社

千代田営業所 営業課

小巻 智彦

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1957年の創業以来、荷物ひとつひとつに込められた心も一緒に届ける「飛脚の精神(こころ)」を守りながら、物流業界の雄としてそのポジションを築く『佐川急便株式会社』。その誠心誠意の企業マインドとスマートでテキパキとした身のこなしで活躍する「セールスドライバー」は、『佐川男子』と呼ばれマスコミでも一躍話題になった。
2016年には、グローバル化への対応と企業の経営戦略実現の支援のための物流改革として、中期経営計画「First Stage 2018」をスタート。先進的ロジスティック・プロジェクトチーム「GOAL」をはじめとする新たな取り組みで、顧客対応力の強化、輸送品質の向上、さらには海外輸送の徹底した合理化の推進を進めている。
今回の主役は、まさに「セールスドライバー」として東京:千代田区エリアを走る営業課の小巻さん。その溌剌とした仕事ぶりとターニングポイントに関するエピソードを聞いた。

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毎日が『お客さま第一主義』。海外にも思いを馳せるスポーツマン「セールスドライバー®

【Q】入社動機は?

小さい頃からスポーツ好きでサッカーと野球に明け暮れていました。小学校の高学年から高校3年までは野球に専念。特に高校は専用グラウンドもあったし、ひとつ上の学年が県大会のベスト4まで勝ち上がった強豪高で、3年間みっちりと野球漬けの毎日でした。激戦区神奈川県で本気で甲子園を目ざしていましたね。
そんなベースもあって、体を動かす仕事がしたいと思って就職活動に臨んでいました。いろいろと調べたり廻ったりしたうえで自己分析と重ねた結果、『佐川急便』が一番フィットしたんです。
今もスポーツは続けています。スノーボードはシーズン中ほとんど毎週行ってます。

もうひとつ。大学時代、イギリスの提携校に半年間交換留学の経験をさせてもらいました。それがきっかけで、グローバルな仕事のチャンスがある企業にもすごく興味がありました。『佐川急便』には海外にも行けるレールがあったので。それも志望の大きな理由です。もちろん今も、国外で働いてみたいという思いは強くあります。

【Q】入社後のお仕事は?

2014年4月の入社です。「セールスドライバー」で丸3年。千代田区エリアでの荷物の配達・集荷がメインの仕事です。

最初はとにかく住所を覚えるのに苦労しました。全く土地勘のない地区を担当したので、ある程度の期間で町名までは頭に入っても番地やビルの階数まではなかなか。一から覚えていくのはかなり手強かったです。
助けてくれたのは、そのエリアを先に廻っていた先輩方が作ってくれていた地図でした。勝手に「秘伝のマニュアル」って呼んでるんですが、記憶しやすいように細かいことまでいろいろ書き込んであるし、番地の付け方の法則も理解できるようになっているし。

今は毎日本当に楽しいですね。日々できることの幅も増えている手応えがあってやりがいを感じます。
もちろんまだまだの部分や迷うようなこともあるんですが、何よりも「お客さま第一主義」で走り廻ってます。
バレンタインデーにチョコレートをいただいたりするのもすごく嬉しいです。中にはこっそりとトラックに吊り下げてあったり。載せていただいた『佐川男子』カレンダーにサインを頼まれてびっくりしたこともあります。お断りしたんですけど、「将来値打ちが出るかもしれないからぜひ…」って冗談半分に言われて。そういうことも自分に対するひとつの評価だと思うと大きな励みになりますね。

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お客さまとの接客は、同時に新規顧客開発の最大のチャンス

【Q】今面白いと思うことは?

自分の仕事はサービス業だと思っているので、毎日のいくつものお客さまとの接点そのものが楽しいです。
そして特に、配達の際の接客やお客さまとの会話から新たな営業に繋げていく。新規のお客さまとして開拓・獲得していくプロセスが、今一番面白いと感じています。配達は最大の営業チャンスなんですよ。

千代田区エリアは法人・企業の配達先が多いので、ほとんどが決まった先に発送依頼をしています。そこで、まずは自社が契約を結べていない中から可能性のありそうな相手先をアプローチ・ターゲットとして特定します。
そしてそこには、他の配送会社よりも早い時間帯に配達することを心掛けたり、受け渡しの時のコミュニケーションの快適さを少し意識してみたり。例えば、エントランスの変化に気づくとか、対応してくれる方の服装や髪型をさらっと褒めるとか。配達場面のアメニティを上げるよう努めます。
そんな小さなことを積み重ねながら、憶えていただき徐々に距離を縮めて信用を得て、最終的に発送の委託を切り替えていただく。最前線の醍醐味ですね。

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「佐川さん』から「小巻さん」へ。呼ばれ方の変化は同時に責任感の階段

【Q】ターニングポイントは?

当然かもしれないですが、ひとつは社会人になった時。正確に言うと、独り立ちして配達・集荷の仕事を任された時ですね。
現場で実際に荷物を手にしてみて、それぞれにその荷物を待っているお客さまがいるんだということを改めて実感しました。だから、集荷の際もしっかり確認する。配達の希望時間は必ず守る。できる限り早く届ける。期待に応える。そうした社会人・職業人としての責任感が確実に芽生えた気がします。

『佐川急便』のブルーのユニフォームは目立ちます。それに最近ではメディアで取り上げられたこともあって、みなさんに「佐川男子だ」と注目していただくことも増えました。それだけに普段から、応対はもちろん台車の押し方や荷物の扱い方、駐車措置まで、業務のうえでの行動ひとつひとつにかなり注意しています。見られているという意識を高く持って仕事に取り組むようになりました。

もうひとつ、自分の中で決定的な瞬間だったのは、集荷訪問の際に、社名の「佐川さん」ではなく個人名の「小巻さん」と呼ばれた時。しかも「小巻さんに荷物を預けたら大丈夫」と言っていただいたことにとても感動しました。お客さまの見る目が変わったと言うか、信頼されているという自信になりました。これは自分にとってのひとつのバロメーターです。名前で呼ばれる先が増えていくごとに、「セールスドライバー」としての自覚に火が点っていく感じですね。

【Q】今後への思いは?

先にお話ししたように、今のエリアはオフィス街中心なので8~9割がビジネスユースのお客さまです。もっと自分の接客スキルの幅を拡げる意味でも、別の地区も担当したいですね。商業貨物を取り扱う工場や一般のお客さまに対しては、業務の質がまた全然違ってくるはず。インターフェイスや喜んでいただくためのポイントが変わると思います。その意味で他の営業所も経験してみたいなぁと。
それに企業に勤務しているからには、ちゃんとキャリアアップして役職も上げていって営業所長とかトップを目ざしたいです。
後、最初に入社動機としても触れましたが、一度は海外にも出てみたいです。やっぱり夢ですね。

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安全運転のための意識と技術が生命線。きめ細かい充実の研修カリキュラム

【Q】人材育成の仕組みを?

新卒採用者は、最初は全員集配現場から。本社一括採用の上で全国の各営業所に配属されます。
配属地域の希望はかなり受け入れてもらえます。住んでいるところの近くを希望する人が多いですが、稀に好きだからという理由で、関東圏の出身なのに沖縄を希望する人もいるみたいです。

新入社員研修を含め「教育」制度はかなり緻密で計画的に整備されています。

ドライバー職では、まず入社直後に連続で集合合宿研修がふたつ。
「新入社員基礎研修」が2泊3日。会社の理念や考え方、挨拶・礼儀などを学びます。その後が教習センターでの1泊2日の「安全運転基礎研修」。通称「ドライバー研修」と呼ばれていますが、安全に対する意識から運転技術の基礎をみっちりと。

基礎研修を終えたら40~50日間の「OJT」です。上級SD(セールスドライバー)指導員の方から現場での実務指導を受けます。添乗実習を繰り返しながら、単独乗務や集配業務などの「検定」で習得レベルがチェックされます。もう毎日が覚えることだらけで大変。メモが手放せませんでした。
この期間の最後にあるのが「SD独り立ち認定研修」です。自社のサービス内容や集荷・配達時の応対、顧客獲得のための営業フローが正しく理解できていてちゃんと実践できるかを講師へのロールプレイングなどで確認し、OKであれば文字通りひとまずの独り立ちです。

その後にも1年間のフォローアップ期間があります。1か月・3か月・6か月・12か月を目処にSD指導員の添乗指導があって、業務が滞りなくできているかの検証が行われます。
添乗の時は緊張しましたよ。でも臨場感のある指摘や意見は本当に勉強になりました。すごく成長を感じた時期でしたね。

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新入社員 職種別研修フロー

元気でおおらかな風土。そのベースにある信頼関係

【Q】自社の自慢できるポイントは?

一番は「爽やか」というか「いきいき」してるというか、社内全体の空気がとにかく元気ですね。
それと「おおらかさ」。新しいことへのチャレンジには理解度の高い環境です。小さな失敗は成功の糧にして活かせと上司からも言われます。万一の時のカバーの体制も整えてもらえるし。日常の業務に関しては、ほとんど注意されたり細かなことを言われたりしません。もちろんその分、任されているという自責も強くなりますが。いずれにせよ、お互いの信頼関係の上でのびのびと仕事をさせていただいてますね。

「姿勢は道を開く」…恩師のことばが毎日の行動原則

【Q】仕事のうえでのモットーは?

いい「姿勢」を保つということですね。
背筋を伸ばすという形式的なことだけを言っているのではなく、他にもふたつの意味を含んでいます。立ち振る舞いとしてきちんとすること、そして心構えとしてちゃんとと向き合うこと。マナーとスタンスという感じでしょうか。例えばお客さまに対してお詫びする場合でも、腰を折って誠心誠意謝罪することで申し訳ないという思いを心から伝えるとか、常に姿勢を正すことを意識しています。
もとには中学の時の恩師から教えてもらったこのことばがあるんです。「姿勢は道を開く」…物事に対する姿勢がしっかりしていれば、困ったことが起きても、解決の手がかりが見えてきたり誰かが手を差し伸べたりしてくれるはずだと。野球をやってた頃も、このことばに随分と救われたことも多くて。物事に対する取り組み方の基本だと思っていて今も大事にしているんです。本当に日々精進です。


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今年の『佐川男子』カレンダーの巻頭「1月」を飾る。取材の間もその放つオーラは爽やかそのもの。
そして、ブルーのユニフォームを纏うことで周囲から一目で『佐川男子』として見られることに、強い自覚と誇りを持っていることが感じられる。
取材の最後に就職活動に臨む学生への応援メッセージを尋ねた。

まずは3年間…必死でやりきって欲しいです。
「石の上にも3年」ということばがあるように、どんなに仕事がキツくても周りの人や環境に馴染まなくても、まずは3年間歯を食いしばってから。転職だったり次を考えるのはそれからだと思いますね。
1年や2年の経験では結局本質は何もわからないです。3年ぐらいを経てようやく良いことも悪いことも見えてくる。自分も確実に変化するし、できることやプライドみたいなものも感じられるようになってくる。そこで初めて次のステップや進む方向を判断するスタートに立てる感じなんじゃないかなぁと。
自分も今ちょうど3年経って、ようやく社会や会社や組織のことなんかもいろいろわかってきたし、自分の適性も意識できるようになってきました。闇雲に頑張っていた入社当初と比べて「楽しさ」の質が全然違います。理解できることが増えたおかげで、新しい領域への好奇心もどんどん膨らんでいますね。

さすがスポーツマンだけあって、一言ひとこと考えながら発せられることばは、決して賑やかではないが熱い。
熱血『佐川男子』…今日も颯爽と東京の街を駆け抜ける。

 

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