デジタルクリエイティブカンパニー『株式会社博報堂アイ・スタジオ』。通称『アイスタ』。
AI、ビッグデータとデジタル化が急速に普及する中、先端技術を駆使したクリエイティブで新たなコミュニケーションを生み出している。本業は、インタラクティブ領域におけるクリエイティブデジタルマーケティング・CRMのプランニング・制作・運用、およびシステム開発業務。近年では、これまでのノウハウを活かした新規事業・サービス、新しい広告体験の開発にも力を注いでいる。
同社の最大の特長は様々な職種のスペシャリストが在籍すること。各領域のスペシャリストが互いに連携し合うことで、クライアントからの要望にワンストップで対応している。
今回は、人事部の坂本さんに人材育成の方針や研修プログラム、職場環境についてお話を伺った。
「テクノロジー×クリエイティブ」を起点に新しい価値を生み出す。
弊社はデジタル領域の企画、制作、運用までを手掛けています。テクノロジーの力とクリエイティブの力を掛け合わせることで、クライアント企業様、その先の生活者の皆様に価値を提供することが私たちのミッションです。事業の種類は「国内受託事業」「クロスボーダー/グローバル事業」「自社事業」の3種類に大別されます。
国内受託事業については、大手ナショナルクライアント企業様のデジタルコンテンツの制作やマーケティングに関する仕事を数多く受託しています。クライアントのビジネス課題の解決に向けて、クリエイティブを起点にした弊社独自のソリューションを提供しています。
クロスボーダー/海外事業については、海外進出を推進するクライアント企業に対して、クロスボーダーな視点と体制で、デジタルマーケティングの立案から施策の制作・運用まで一貫したサポートを行います。現時点では、北京、上海、タイに社員が赴任しています。
自社事業については、先の2つの事業で培ったノウハウをもとに、新たなビジネスや体験を創造しています。例えば、ぬいぐるみにつけたボタン型のIoTデバイスを通して新しいコミュニケーションの形を提案する『Pechat』(ペチャット)や、IoTデバイスを活用して携帯電話の電波が届かない山中でも位置情報を取得できる『TREK TRACK』(トレック トラック)などです。新規ビジネスをインキュベーションするための部署や、新しい広告体験を開発するための専門部署も立ち上げています。
個々の能力を結集し、クライアントの要望に最高の形で応える。
2000年に創業して17年が経ち、社員数は約350人。在籍している社員の職種は、プランナーやエンジニア、デザイナー、コピーライター、プロジェクトマネージャー、テクニカルディレクターと多岐に渡ります。多様な職種の集団であることこそが弊社の強みです。各職種のスペシャリストがその領域の専門性を極めようとすることで、弊社が組織として提供できる付加価値が継続的に高まります。
案件ごとに、自律的にプロジェクトメンバーが編成される点も大きな特長です。
スタッフ同士が部署の垣根を越えて仲間を集めます。「この案件だったら彼が興味を持ちそう」「この分野は彼女が得意なはず」といった具合に。専門性とモチベーションが高いメンバーが自律的に編成されることで、スペシャリスト同士が刺激し合い新しい気づきを得られ視野も拡がります。自分の専門性を高め、他のスペシャリストの専門性と組み合わせて、何かおもしろいことをしたい! モノづくりをしたい! という方にとっては刺激的な環境だと思います。
スペシャリストがお互いに声を掛け合う。そこから生まれる新しい気づき。
「声かけてますかー! 声をかければ何でもできる!」
これは社長の平林が、朝礼などの社員が集まる場で必ず発信していることばです。
先程のプロジェクト編成のためにも必要ですが、多様なバックグラウンドと専門性を持ったスタッフが集まっているため、声を掛け合い、話し、お互いに認識をすり合わせること、知識を共有することが重要です。
それぞれの専門性を持った社員が率直に意見を出し合うことで、ひとりでは考えつかないような新しいアイデアが生まれます。困ったことがあっても、社内の誰かに相談することで必ずヒントや解決策が見つかります。トップが何度も何度も言い続けている甲斐もあり、活発なコミュニケーションにより課題を解決していく風土が醸成されているような気がします。
社外のコンサルティング会社に組織サーベイを依頼した際には、『「温かい雰囲気の会社」と感じている社員が多くいる。新しく配属された人を様々な方法で歓迎するなど、よい文化が根付いている。同僚に対して「熱心で責任感が強い」など誇りに感じている様子が窺える。』というフィードバックをいただききました。
また、新入社員の方に『アイスタ』に入社を決めた理由を聞くと、「先輩社員が自分のキャリアについて親身に相談に乗ってくれた」とか、「風通しが良さそう」「社員同士の仲が良さそう」という声がたくさん返ってきます。
社員の「タイ」に真剣に向き合うことがパフォーマンスの最大化に。
社員の「タイ」をとても大事に考えている会社です。「タイ」というのは、「〇〇したい」のタイです。
職種のバリエーションが幅広くあるため、本人のやる気次第でキャリアはいくらでも切り拓くことができます。社員の意欲や自発性・主体性を大切にし、応援しようとする文化があります。
年に1度、社員がキャリアの希望を経営層に直接申告する「キャリア申告」という制度があります。「自社事業をやってみたい」「英語のスキルを活かして海外事業に携わりたい」「UX領域に強く興味がある」といった希望や想いを各々が申告します。経営層はこの内容を考慮したうえで次の組織編成を検討します。
この申告がきっかけで、海外に駐在したケースや、デザイナーからサービス開発へ異動したケース、出産・育児といったライフステージの変化に伴って職種を変えたケースなど、実績も多数あります。
こういったキャリア申告制度を使って職種を変えた社員のインタビューが「キャリアパスの歩き方」という社内サイトに掲載されています。もちろん組織ですから全てが思い通りになるわけではありませんが、社員のキャリア形成、「タイ」を吸い上げて応援することに向き合っていることは間違いありません。
社員のキャリア形成サポートするプログラムとしてキャリア研修・キャリアワークショップがあります。
社会人歴3年、6年、10年のタイミングで、キャリアについての考え方や、同世代の社員が集って対話する場を設けました。
課題解決をしたい、世の中の人が驚くような体験をつくりたい、周りの社員と一緒にものづくりを楽しみたい、という社員が集まっているのですが、「自分のこと」よりも「おもしろいことを考えること」とか「ものづくりの楽しさ」「目の前の課題を解決すること」に熱中しがちな気がします。3~4年に1度は日常とは違う視点で、自分自身のためにじっくりと未来を考え対話して頂く機会を提供することが、長い目でみると、それぞれの社員の個性や価値観が反映された、エッジがきいたクリエイティブにつながっていくのではないかと考えています。
企業の成長エンジンは人。多様な学習機会を提供。
新卒で入社した方については、入社後2か月間の「導入研修」があります。研修というと、仕事に必要なことを座学で学ぶ、というイメージを持たれるかもしれませんが、新入社員の方にとっては、“カイシャ”という新しいコミュニティに初めて参加することになるので、知識をインプットするだけでなく、社内で知り合いを増やしたり、会社の雰囲気や社員の人柄を知ってもらったり、新しいコミュニティでどう立ち回るといいのか? を体感的に知っていただくことも重要なので、研修中にそういった時間があります。
例えば、「社内インターン」という期間があり、実務を体験してもらうようにしています。それぞれの部署でどのような業務を行っているのか、どのようなメンバーが働いているのか、具体的にイメージしてもらうことが狙いです。受け入れる側も、この人だったら誰をトレーナーに着けるべきか? どんな育て方をしたら成長するのか? を検討します。本配属前に、OJTトレーナーを決め、育成計画を立てます。
入社当初は不安も多いと思います。不安の種は、「知識・スキル不足への不安」と「会社コミュニティへの適応の不安」だと思うので、その両面をサポートしています。手厚い仕組みだと感じるかもしれませんが、新入社員の方がインターン中に組織の人を観察しているのと同様に、受け入れ先の部署の社員は新入社員の人柄や意志の持ち方を観察しているので、シビアな側面もあります。個人と組織のフィット感にこだわりながら、個人の意志を応援できるようにサポートすることを心掛けています。
入社後2カ月の導入研修を経て配属となり、入社6か月後には振り返り研修、2年目にはタスク管理術の研修、3年目にキャリア研修、4年目に課題発見力を強化するトレーニングを用意しています。
その他にも、スキルアップのためのトレーニングメニューは、階層別に豊富に準備しています。
新入社員のトレーナーになる社員に向けたOJTトレーナー研修を年3回。グローバルビジネススキル習得プログラムや、デジタルマーケティングの基礎研修、UX/UIのトレーニング、制作物のクオリティを担保するための「ヒンシツ大学」といったトレーニングも実施しています。最近では、Googleさんが採用して話題になっているマインドフルネスのトレーニングも実施しました。
「アイスタ・カレッジ」と呼ばれる社内勉強会や、複数のトレーニング群から希望のトレーニングが受講できるプログラム、隙間時間で利用できるEラーニングなども導入しています。また社員それぞれが専門領域で自己研鑽することを支援する「クリテク支援金制度」(10万円までの補助金制度)も用意しています。自分の専門性を深めたい、不足しているスキルを補いたいといった向上心の高い人は、どんどん自分を伸ばしていける環境があると思います。
社長をはじめ役員陣も学ぶことが好きですし、社員の成長や育成に関心が高いため、研修にオブザーブに来て参加している社員と対話したり、社長室に呼ばれて研修の様子を聞かれたり、といったことがよくあります。
デジタルクリエイティブの世界でチャレンジを楽しめる人と一緒に働きたい。
チャレンジ精神を尊重する文化があります。個人の主体的な行動や新しいチャレンジを応援し続けることが、組織の発揮する価値の向上につながっていくと捉えています。そういう思想があるため、自分から「こういうことがしタイ」と発信すると、結構任せてもらえます。新しいチャレンジをしたいというモチベーションの高い人、自分のやりたいことを持っていて発信できる人には、チャンスが拡がりやすい環境だと思います。
広告やデジタルに、“前のめり”な人にとっても楽しい環境だと思います。
広告を見ながら「こういうのを自分でも作ってみたい」と思う。Webサイトを見て「なんでこのサイトはこんな作りなのか」とか「バズっている理由はなんだろう」と考え、見えているモノの裏でどういう課題が解決されているか? わかりやすさや楽しさを提供しているか? どうしたらもっと良くなるか? と考えてしまうような探究心旺盛な人にとっては、とても刺激的な環境だと思います。そういうことを日々考えて、形にしていくことが仕事ですし、取り組み続けてきた先輩社員ばっかりだからです。
会社の文化を大切に思う気持ちと、そこで働く社員への尊敬と期待が十二分に伝わってくる。
そんな坂本さんに、就職活動生への応援メッセージを聞いた。
自分を知るための「行動」を意図的に取るといいと思います。例えば、自分が学校の教授や先生、部活やサークルの先輩、友達、バイト先の社員さん、家族の目にどう映っているか、就職活動を理由にフィードバックをもらう行動をとる、などです。
就職活動では自己理解が必要だと言われますが、自分だけで黙々と考えていても、上手くいかないと思います。他の方から頂くフィードバックは、その人はそう捉えた、という事実情報になります。中には自分が素直に喜べないものもあるかもしれませんが、自分の行動から得られる確かな情報だと思います。
フィードバックを依頼された方も、あなたが「自分のことを、フィードバックを依頼したい人」だと認めていると感じて、きっと嬉しいと思います。この際、遠慮せずに聞いちゃえばいいのではないでしょうか。
これからは自ら他者に積極的にフィードバックをもらいに行くことが、重要なマインドセット・スキルになると思います。そういった意味でも、就職活動という特別なタイミングを活用して、自分を知るための行動を意図的に取ることをお勧めします。その行動によって、学生時代までに出会えた人たちとの関係性が少し深まったり、新しくなったりすると、より幸せですよね。
専門性を極めたスペシャリストが集う『アイスタ』には、自分自身に向き合い、互いに高め合う文化がある。
そこから生まれるクリエイティブが、新しい世界をつくっていく。
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