君はこうなる!5年・10年 【 我が社の「若手育成計画」大公開! 】
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ホスピタリティ文化の原点は主体性とその尊重。自ら学ぶ。みんなで育てる。

株式会社ルネサンス

人事戦略部 人材開発チーム

豊田 実子・大丸 公子

ルネサンス_0_豊田・大丸

「生きがい創造企業」を理念に掲げ、1979年の創業以来、総合型会員制スポーツクラブの運営を中核に、子どもから高齢者まで幅広い層のユーザーの健康課題をサポートする『株式会社ルネサンス』。その業容は、個人から法人・自治体へ。企業や地域の健康づくりのためのサポート事業も展開。さらに、リハビリテーションに特化した通所型介護施設の開設などのヘルスケア関連の事業等、有機的に展開しフィールドを拡げる。また、2014年にはベトナムにも進出。グローバルにその生きたノウハウを提供している。
キーワードは健康とスポーツ。人との“つながり”を大切にし、すべての人の健やかな毎日をめざすホスピタリティ企業『ルネサンス』。今回は、ダイバーシティ推進チームを兼任されていらっしゃる人事戦略部 人材開発チームの豊田課長と大丸主任のおふた方に、その人材育成における取り組みを伺った。
(以下敬称略)


ルネサンス_1_施設外観

すべての人の健康な日々を最大限サポートする。それが「生きがい創造企業」の使命

豊田
『大日本インキ化学工業株式会社』(現:DIC株式会社)という会社が立ち上げた社内ベンチャー事業が弊社の前身です。現取締役会長 斎藤が研究職だった頃、イタリアに留学した際に当時の健康礼賛文化に触発され、調査や勉強を重ねながらサークル活動レベルから少しずつ大きく育てていったものが現在の事業です。『ルネサンス』という社名は、そのイタリアの文化に由来しています。
一番大事なものが健康。人は健康であるべき。健康あってこその人生。ならば、健康な日々を最大限支援することで社会貢献したい。そうした本質論が、今も脈々と弊社の事業のベースに流れています。

主事業は、各地に展開している総合型の会員制スポーツクラブ。フィットネスクラブや成人スクール・ジュニアスクールなど全国約100箇所で展開しているスポーツ施設の運営ですが、「健康」というキーワード、そして「すべての人の…」というスケールにこだわる中で、自ずと事業の視野はどんどんと拡がってきています。今はその大きな過渡期を迎えていますね。

次の大きな事業ステージとして進めているのがヘルスケア事業。そのひとつが介護支援です。
高齢者のリハビリのためのデイサービス施設の運営とともに、「シナプソロジー」という脳活性化プログラムを、介護予防施策として提案し普及させていく活動も推進しています。「シナプソロジー」は弊社が独自に開発した、ふたつのことを同時に行ったり、左右で異なる動きをしたり、視覚・聴覚・触覚などから脳に与えられた刺激の反応として体を動かすことによって脳の認知機能や運動機能の向上を図るプログラムです。
また、企業の健康経営や自治体の健康づくり活動におけるサポートの依頼も、近年急速に増えています。「シナプソロジー」は法人からも、ビジネスパーソンの生産性向上に効果的だとご好評をいただいています。

ルネサンス_2_プログラム

豊田
自治体支援は、施設運営の本来のコンセプトが“地域密着”でもあるため、ある意味で自然な流れなのかもしれませんね。日本の場合、スポーツジムに通っている人が人口の約3%。欧米の10%以上に比べるととても低い数字です。高齢化もますます進む中で、「地域の人たちを健康にしよう」と考えると、箱を造って来てくださるのを待つだけではダメなんですよね。自治体と一緒になって、体操教室や健康セミナーといった能動的かつ草の根的な活動も進めていかなければ。そんな思いも背景にはあります。各自治体の関係部署にアプローチしたり提案をしたり、各施設のスタッフが積極的に動いてくれている成果が、確実に出ている感じがします。設備の提供だけではなく、ソフトの提供。それも大事なミッションだと思っています。

ソフトやノウハウの提供という側面では、健康領域での指導人材の教育・育成、スポーツ施設の開業のコンサルティングや受託運営などにも着手しています。
さらにノウハウや経験を海外に活かす形で、2014年にASEAN諸国への進出を決めました。その先駆けとしてベトナムに子会社を設立し、直営のフィットネスクラブやスイミングスクールを展開しています。お子さまの水難事故防止というベトナムの国策の支援にもなっています。

体を動かすこと、スポーツをすることを、レジャーとして楽しむだけではなく、健康の維持や健康寿命を延ばすといったより日常や暮らしに近い視点で、かつすべての世代の方を対象に個々のニーズにフィットできるようアプローチし続ける。それが「生きがい創造企業」としての使命だと思っています。

ルネサンス_3_豊田

大切にしたい個人の意志・意識。強い思いこそが成長の“芽”

豊田
新卒入社の社員に対しては、新入社員研修に始まり、3か月後のフォローアップ研修、2年目研修と階層別でのプログラムが組まれています。入社後の2年間は、ビジネスの基礎と専門のスキルをしっかりと身につけてもらう体制になっています。
これまでは、全員入社後早々にスポーツクラブの現場で2年程度経験を積んでもらったうえでの配属という考え方でしたが、事業の間口も拡がってきているため、今後は事業部単位での専門職能型の採用に切り替えていくことも視野に入れています。

人材育成のうえで大切にしているのは「自ら学ぶ」。そしてその主体性に向け「みんなで育てる」ということを、数年前からキーワードとして掲げています。
自らの学ぼうとする意識に対して、先輩が、上司が、組織がサポートしみんなで育てよう。そのために日々のOJT・Off-JTはもとより、各種多彩な研修の仕組みを用意しています。階層別・役職別でのカリキュラムをはじめ、自由参加でプログラムが選べるカフェテリア研修型のものや、大学のご協力をいただきながら通信教育講座も準備しています。自ら学ぶサポート制度という、外部セミナーへの参加や通信教育などの自主学習に対する補助金などの支援金制度もあります。
与えられたものを与えられただけ吸収するのではなく、自分が成果を出すために必要だと思うものを自分の意志でしっかり身に付けて欲しいという考え方が基本で、評価制度などともすべて連動する形にしています。

ルネサンス_4_研修教育制度2

豊田
NPO法人 日本ホスピタリティ推進協会の「ホスピタリティ・コーディネータ」の資格認定の取得も奨励しています。付加価値の高いサービス対応を提供するうえで、お客さまの変化への気づきはとても重要です。その学びの機会として位置づけているんです。資格取得者が得たノウハウを、社内にフィードバックしてもらうこともセットで考えています。

通称「ルネコン」。「ルネサンスベストスタッフコンテスト」も弊社らしい育成イベントかもしれません。それはスポーツクラブのスタッフを対象とした社内の接客コンテストです。接客において活躍していたりお手本となるような活動をしているスタッフのエリアNo.1や全国No.1を選び、みんなでベンチマークして学ぼうということを趣旨としています。優秀者を評価して認めるということももちろん大事ですが、仕事のうえでの共感の対象を身近なところに見つけるという、広角のモチベーションづくりも強く意識しています。

人材育成の一環として、「CDP」というキャリアに関する個人の意志を聞くアンケートも実施しています。
どのようなキャリアを積みたいか、将来どうなりたいか、どの地域で働きたいか…といった本人の意識。仕事や家庭の現状、場合によっては介護などの状況も含め、パーソナリティーとそれに強く影響する要因を具体的に開示してもらうようにしています。
そのうえで「キャリア面談」に繋げ、本人の希望を掘り下げながら、より適性の高い職種や部署をアドバイスしているんです。希望の全てが叶うわけではないのですが、社員には自分の未来について一歩踏み込んで考える場をできるだけ提供したいと思っています。自己達成や適材適所、個人の資質や才能を発揮できるよう、人事部門としてはいろんな角度から適正配置を考えていきたいですね。

大丸
私もその「CDP」の申告で希望し、人事部門に配属されました。

豊田
男女を問わず、弊社を目指す新卒採用者の志向が、最近少しずつ変わってきています。スポーツや健康に関連する仕事に携わりたいというベースの上に、その先の動機ややりたいイメージが、かなり鮮明に乗っている気がしますね。
スポーツや体を動かすことを通じて、自治体や企業の健康改善に向けて何かしたいとか、海外の事業に挑戦してみたいとか、社会に貢献できる活動をしていきたいとか。そんな声を聞くにつけ、彼ら彼女らの素直な熱意やモチベーションを、大切に育てていかなければならないという責任感に駆られます。

弊社は『DIC株式会社』の制度も学びながら、ベンチャー企業の新しいやり方の導入にも目を向けています。組織を活性化させていくうえでも、人材育成にはこれからもチャレンジングに取り組んでいきたいと思っています。

大丸
これまでは、スポーツクラブで働くために必要なスキルを、きちんと身に付けるための教育を基本としてきました。でも今後は、より個々の思いや“やりがい”にフィットする選抜研修の仕組みも、もっと充実させていく必要性があることを痛感しています。
楽しみを感じながら確実に成長し、長く続けられる仕事がそこにある。そんな環境づくりをしていきたいですね。せっかく評価をいただいている「働きがいのある会社ランキング」を維持していくうえでも。

ルネサンス_5_大丸

女性にとって働きやすい環境づくりも「ホスピタリティ」の大切な要素

大丸
特に最近は、「女性」のキャリア育成に関しても注力しています。
事業の中心が施設運営なので、シフト制が多くなります。そのため女性の場合、結婚・出産・育児を考えると続けられそうもないというイメージが、どうしても先行してしまうんです。近年はかなり減ってきて、勤続年数も延びてはいるんですが。
新卒入社の7割を占める女性にとっての働き方やキャリアに対するマインドチェンジを促すための仕組みや環境づくりには、できる限りの配慮をしています。面談や研修・イベントなどを通じて、先輩の経験や意識・意思を共有することで、働けること・続けられることを実感してもらえるように。「ホスピタリティ」という側面で考えても、女性の力は絶対に必要ですから。

一昨年から「ホーム社員」という制度も導入しました。
全国に拠点があるため、原則として勤務地転勤はあり得ます。その転勤がネックになって、退職したり元の勤務地に残るために非正規雇用に切り替えたりする女性スタッフも少なくありませんでした。その問題を解消するために、拠点を固定し転勤がないという選択条件を用意しました。
事業自体の幅が拡がりつつある中で、社内の職制やポストのバリエーションも増えています。自分を活かすうえでの選択肢が多くある、道が開けているという形がようやく整ってきたという感じですね。

豊田
会社と個人も“縁”があって繋がっているはずなんです。その縁を大事にしながら、一緒に成長させていきたいですね。ある困難によって退職しなければならないとしたら、それがもし会社が取り除けるものであればなんとかしたい。例えば制度や仕組みで解決できるものなのであれば、解決に向け最大限の努力をしたい。そう思っています。

ルネサンス_6_施設

採用と育成のカギとなる5つのファクター

豊田
今後の強化すべき課題は、次世代リーダーの育成です。
マネージャーや経営層の候補者は、早い時期からの計画的な投資のもとにきちんと育てていかなければならないと。昨年から、公募型研修の一環として海外視察の機会も作っているんですが、座学だけでは得られない“いい経験・体験”の場を提供することを中心に設計しています。
こうしたプログラムを活かす意味でも、その対象者をどうちゃんと発掘するかも重要なポイントになってきます。「自分が…」という積極性ももちろん大事ですし、結果を出すという実績面も大事です。全般的に安定志向が強くなっていると言われる若い世代の中から、明確な仕事観を持って成果を追求する“熱”を持った人材を、いろんな場面や接点の中から見極めていくことが必要ですね。
組織としても大きくなってきたので、全員一律での教育体制だけでは徐々に難しくなっています。やる気、学ぶ力、そしてそれを成果として発揮できる力を備えた人材に向けての選抜研修やスペシャリティ・プログラムを、より充実させていかなければならないと思っています。

こうした意図を背景に、採用さらには育成に際しての「求める人材像」に5つのファクターを掲げています。
「健康」「ホスピタリティ」「チャレンジ」「チームワーク」「成果の追求」…これらをしっかりと体現できる可能性を入社時に求め、入社後もその体現と実践を求めます。これは一貫して変わりません。現在もそうですし、これからもこの軸を最優先に採用と教育を進めていくつもりです。

大丸
この価値観をベースにしながら、今の事業の中で「ホスピタリティ」をより豊かにしていける人材、先の経営感覚を持った強い人材、その両方をきちんと採用し育成していきたいです。事業基盤を支えるメンバー、事業を拡張していくメンバー、どちらも本当に大切ですから。

ルネサンス_7_豊田・大丸

最後に就活生への「応援メッセージ」をお願いした。


豊田
自分のやりたいことを通じて、どんなふうにこの企業と一緒に歩んでいけるのか?…ということを考えたうえで決められたらいいと思います。企業の考え方やあり方に対する「共感」はとても大切です。その共感があってこそ、長く続けられるし会社を大きくしていけると。
それと、その企業に入ったうえで、自分が何ができそうか? 自分がどんな力を発揮できそうか?…といった具体的なイメージがあれば、より仕事に対しての手応えを感じられるんじゃないでしょうか。

大丸
そうですね。「キャリア」は自分で作っていくものだと思います。これがしたい。でもできない。思惑と違った。じゃあ辞めよう…では本当にもったいないです。自分の思い描く「したいこと・できそうなこと・力を発揮できそうなこと」を、その会社で実現できるようにするにはどうしたらいいのか? そこを考えて行動していくことがキャリアなんじゃないかと。しかも長期スパンで。若い時期にそれを一生懸命にやった結果が、大きな自信になりスキルになっていくんじゃないかなと。
環境や時代背景に上手く合わせながら、自分の思いをカスタマイズしていく。そんな広い視野を持って臨んで欲しいですね。


おふたりのことばからは、採用する側の期待と採用される側の期待をちゃんと繋ぎたいという強い思いが伝わる。そしてそこには、人…特にこれからの世代の「可能性」に向けられた温かいまなざしを感じる。
それこそまさに「ホスピタリティ」。

企業公式サイト https://www.s-renaissance.co.jp
採用情報ページ https://www.s-renaissance.co.jp/recruit/