君はこうなる!5年・10年 【 我が社の「若手育成計画」大公開! 】
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人を思いやる豊かな「心」を育てたい。 食べる喜びを届け続けるために

日清医療食品株式会社

総務本部 人事部 部長

中野 茂季

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1972年創業以来、医療・福祉分野に特化した「食」のトータルサポートを事業とする『日清医療食品』。
1日当たり約110万食の食事サービスを全国約5,300件の病院・福祉施設・保育施設に提供するスケールは業界トップシェア。食材の供給にも対応する他、2012年からは、小規模施設や在宅での個別利用者を対象とした配食サービス『食宅便』もスタート。国内5か所のセントラルキッチンと約8,400名の管理栄養士・栄養士、約11,600名の調理師などのプロの知見により、治療方針や栄養管理にマッチしたメニュー開発、食材の仕入れ、調理、衛生管理を総合的かつキメ細かくフォローしている。
また、その日清医療食品をはじめとする『ワタキューグループ』は、備品・器具・設備・人材の供給からマネジメント・コンサルティング、施設の設計・建築の領域まで、医療・福祉に関連する総合的なサービス企業体として圧倒的なスケールとシナジー効果を誇る。

人手不足、業務の効率化、コスト削減、ハイレベルな安全管理、多様化する施設利用者のニーズといった様々な課題に直面する業態に、常に新しい最適化提案を発信し高い信頼を獲得している『日清医療食品』。その「ヘルスケアフードサービス」のリーディングカンパニーにとっての事業展望と人材観はいかに。総務本部:人事部の中野部長を訪ねた。


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施設から個へ。いかによりパーソナルな需要に応えるか?

創業当初から約15年程は、病院や介護・福祉施設への食材の販売がメインの事業でした。その中で、食事をつくるためだけに機能する厨房という稼働率の悪いスペースを見直す…という動きが業界の中で出てきました。一方で、栄養のバランス配慮や治療に伴う塩分や糖分の制限など、デリケートなオペレーションを外部に依存することの不安も強くあったはずです。

医療・福祉の分野での「食」の安全・安心を目ざしてきた弊社にとって、そのジレンマを解決するための給食事業への取組みは至って当然の流れでした。おかげさまで、専門企業として信用していただける実績やブランド力もあって、順調に規模を大きくしてこれました。ノウハウが特殊なだけに、競合も少なかったですし…。

ただ、業界トップとは言え、アプローチのフィールドはまだまだ広いです。全国で30%以上もの病院や福祉施設が、今も中で食事をつくっています。人手不足や運用コストの問題もますます顕在化しているし、まずはそこに踏み込んで合理化の提案を強化していかないと。
来年で創立45周年を迎え、企業としてはある意味成熟期に入っているのかもしれません。でもそれだけに、どんどん変わっていく社会情勢を見据えて、次のステージに上がっていかなければなりませんね。

その視点のひとつが、在宅配食サービス事業『食宅便』です。
独居老人や高齢者夫婦の家庭が急増しています。在宅介護の増加も社会問題のひとつになりつつあります。そういった栄養管理とそのための手間も必要な家庭にとって、「どうしたら楽に安心して毎日の食事が摂れるか?」…というのは、とても重要なテーマ。ヘルスケアフードサービスのエキスパートとして、次はそこを解決していきたいと。
小規模のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)も同様の悩みを抱えています。厨房を自営するとなるとコスト的に苦しい。とは言え、委託するとなると、個口が小さいと敬遠されるしサービスや便宜も低下する。通常のお弁当に切り替えると、減塩などのメニュー制限に対応できなくなる。しかも入所者は、温かい食事じゃないと満足しない。
それらのジレンマも、弊社であればクリアできるはずです。20食前後のお弁当を一度に温めるスチーマーも開発しました。BtoB対応で培ったキャパシティや技術、そのバックヤードは確実にBtoCのニーズにも活かせるはずです。『食宅便』のレベルを高めてもうひとつ先へ進める。これは社会的な意義も高いと自負しています。
そして、『ワタキューグループ』全体としてのグループパワーやネットワークを使えば、安否確認や日用品の販売・宅配など、もっともっと高齢化社会の個に寄り添うサービスが可能になるはずです。

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「心」で彩る食の安全・安心、そして喜び

弊社の社是は「心」です。
「○○していただいている」という「感謝」の気持ちと「謙虚」な姿勢が何よりも大事であるとしています。
特に医療や介護・福祉の現場に携わっているだけに、採用や社内教育の場面でも、相手を思いやる気持ち、進んで協力する気持ち、一歩踏み込む気持ちがなければ、仕事は絶対に成立しないと伝えています。
これは、『ワタキューグループ』全体に浸透している方針でもありますね。

45,000名弱という社員数もさることながら事業所の数も多くそれぞれが離れています。ですから、まずは情報の伝達がしっかりできる人。それが採用の際の第一条件です。
そのうえで、例年大卒30名程度を採用している「総合職」には、変化への対応と提案する力を求めます。営業やスーパーバイザー・インストラクターなどの職制に分岐してはいきますが、常に変わっていくお客さまのニーズに合わせて、自社のサービスを組み合わせカスタマイズされたソリューションを提供していくポジションはとしては同じなので。

栄養士・調理師職に関しては、1,000名以上、多い年は1,800名を採用することもあります。ほとんどが専門学校・短大・高校卒で、各拠点単位での採用です。実際の食事に関わる人たちは、特に気持ちが大切だと思います。食べる喜びを届ける仕事です。頭や理屈で考えるのではなく心で感じること。「おいしい」と言ってもらえることを純粋に嬉しいと思える感受性に期待します。

面接の場面で気にしていることは、まずは明るいこと。そして、答えの中身よりもリアクション。的確な反応をしてくれているかどうか。いずれにしても、人として魅力的…と言うか、もっと知りたいと思わせてくれるかがポイントです。
こちらが面接をしてあげている…というスタンスはご法度だと思っています。むしろ企業側のプレゼンの場、学生側が自分にフィットする企業を選ぶ場であると言うか、企業側も面接されているという感覚でいます。
そうしたフェアな思いで対峙していると自ずと反応も変わってきますね。徐々にざっくばらんな雰囲気になって本音も語ってくれるようになる。やはり大事なのは「心」…謙虚に向き合うかですよね。

大学生対象の「インターンシップ」は、昨年から本格的に取り組みを開始しました。30名前後を受け付けています。
営業職としての「疑似体験」がメインです。こちらが病院の医院長や事務長の役になって、提案営業の面白さを体験してもらい、具体的な評価や診断のフィードバックもしています。インターンシップをきっかけに、そのまま応募して入社してくれる率が思っていた以上に高いんですよ。
今後の採用は、インターンシップ中心に進めていこうと思っています。採用にまで至った人数が、合同説明会からの実数より多く、明らかに効果が上です。合同説明会はやめようかなと。
業態がBtoBのため、決して一般的な知名度が高い企業ではありません。また、選考開始の時期が遅くなっていることもあり、学生がいろんな企業に数多くエントリーする傾向も総じて落ちてきています。だから、間口を広げるのではなく、きちんと目を向けてくれる人をきちんと受け入れる。自社の採用も方向転換です。

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『一心館』研修

まずは「人」を育てる。それが成長の原点

入社後の最も特徴的な育成プログラムは、『一心館』です。
京都にある、いわゆる全寮制の企業塾なのですが、総合職は全員、ここで1年間研修を受けてもらいます。大学5回生という感じでしょうか。実務の前に心の教育…社会人としての基本的なマナーやビジネスマインドをしっかり身に着けてもらうことを優先しています。
具体的には、マナー研修の他、グループ各社の事業理解、社内各業務の実習、チームディスカッションと発表、さらには、実際に車椅子に乗ってのバリアフリー体験やCSRの一環での森林保全や清掃作業などもカリキュラム化されています。
「同じ釜の飯を食う」ということばがありますが、まさに1年間を一緒に過ごすことで、同期としての絆も確実に深くなります。そしてそれが、その後の仕事の中での自発的な協力や支援の強い基盤にもなっていますね。

2年め以降の実務は、原則としてほぼ「OJT」です。と言うより、そうならざるを得ない。仕事を通じて仕事を覚える。専門的な知識や技術は、現場を踏んで場数を重ねながら蓄積する。そういう仕事なんです。
対象のほとんどが病院や福祉関連の施設です。一般の企業と違って、個々の事情や色合い、地域の特性によって受ける影響要素などが細かく異なります。だからフォーマット化できない。A病院で上手くいった提案や対応が、必ずしもB病院では通用しないんですね。
常にカスタマイズ、さらに問題解決のスピードが求められます。きちんと聞く力、柔軟に理解する力、いい結果を想像する力、最適なソリューションを発想する力を結集して対応していかなければなりません。結局、人としての豊かさが問われます。走りながら育つ。そして大きくなっていく。頼りになるビジネスパートナーになっていく。若い時期は毎日が学習であり成長ですね。
もちろん、必要な資格取得に対する教育支援体制も用意しています。昨年は管理栄養士だけでも470名以上の資格者が誕生しました。

人事の立場から、今後に向けてのもう少し大きい視野でのテーマを挙げておくとすると、「女性」のための職場環境整備ですね。
仕事の内容柄、全社員の3/4以上が女性です。女性が働きやすく活躍できる環境づくりは、他の企業以上に必要だと感じています。「次世代育成支援対策推進法」にもあるように、出産・育児休暇後の職場復帰がしやすいルールづくりや子供が生まれても育てやすい条件を整えていくための取り組みは、どんどん進めていかないと。

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『一心館』研修

最後に、改めて本質的な質問をしてみた。
「人」を育てるという考え方における中野部長のこだわりは?

『愛国心』と似ているかもしれません。これって誰からか「持ちなさい」と教えてもらうものではないですよね。
改めて教わらなくても、そこにいることで自然と身についていく思いやる心。そんな風土と文化を持つ企業だからこそ、医療や福祉の現場で機能できるし、生きることの原点である「食」を担えるはずなんです。
システムが整備されていても、ルールやマニュアルがしっかりあっても、「食」の仕事はそれを取り扱う人の「心」がそのまま商品になります。イライラしながら作った食事は不味いものです。喜んでもらいたいと思って作ったものは美味しさが届くんです。
製品やサービスの品質は、企業の品質であり、そこで働く人のクオリティ…それを絶対に忘れてはならないのが我々の仕事だと。ずっと伝え続けていきたいですね。

人の性格は簡単には変えられません。でも「価値観」は文化や環境や風土の力で変えることができるはずです。
「おいしい食事をつくりなさい」と強制するのではなく、「おいしい食事をつくりたい」と素直に思えるような価値観、喜んでもらえることが嬉しいと思える「心」を育てる。心が育てば、自然と行動も変わる。それが本当の意味での育成だと思っています。

そう語る中野部長。その「人」を大切にする、「心」を大切にする思いは太く強い。そして優しい。

企業公式サイト http://www.nifs.co.jp
採用情報ページ http://www.nifs.co.jp/recruit