君はこうなる!5年・10年 【 我が社の「若手育成計画」大公開! 】
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変化を活かすチャレンジマインドこそが 個人を会社を大きく育てる

帝人株式会社

人事部 採用グループ長

上沼 敏博

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2018年に創立100周年を迎える『帝人株式会社』。日本で初めてレーヨンの開発・製造を事業化した後、最先端の化学技術と研究開発により、ポリエステルなどの合成繊維からフィルム・樹脂等の化成品、さらには医薬・医療の分野へと展開。現在は「高機能素材」「ヘルスケア」「IT」の3領域を事業の柱とし、総合化学メーカーとして独自のポジションを確立している。
「DAKE JA NAI」をスローガンに、時代とともに変化と拡張を遂げながら「ソリューション提供型事業体」を目指す『帝人株式会社』。そのチャレンジャー・ブランドが求める人材像と育成の仕組みは? 人事部:採用グループの上沼グループ長に聞く。


変化を糧に成長する人財こそがベンチャー・スピリット継承者

ベンチャー・スピリットが『帝人』の背骨ですね。
創業以来、成功と失敗、成長と撤退を繰り返してきています。世の中のニーズを先取りして新しい取り組みにチャレンジすること、時代の変化に伴い自分たちも変わっていくことが会社としての基本スタンスです。
国内初で着手し大ヒットしたレーヨン事業も約40年前になくなりました。どんな成功も永遠に続くなんてあり得ませんからね。日々新しいビジネスや切り口に目を向けていかないと生き残れません。
特に弊社の作っているものは最終製品ではなく素材です。顧客から求められるクオリティに応えているだけじゃダメなんです。製品化を担う最終メーカーが潜在的に持っているニーズやまだ気づいていない欲求を掘り下げて、そこにアプローチしていかないと。顧客である中間メーカーや部品会社・加工会社と協力しながら、新たな用途や価値に対する仮説を立てたうえで、その仮説に応じたより高品質・高機能のものをどんどん提案していこうとしています。

こうして常に自ら「変化」を起こしている会社ですからね。それを糧に成長していくことができることが、特に若い世代の人財にとっての必須条件です。変化を楽しめるか? 状況が変わった時に何をすべきか自分自身で深く考えられるか? そしてそれをやり切れるか?…会社としてのチャレンジャー的マインドを、そのまま採用の基準や育成のプログラムにも反映しています。

帝人株式会社_1_CM画像

深さと幅の両立。専門性養成のための体系的プログラム

就職説明会や採用面接の場面で、研修や教育制度についての質問が目立ってきました。関心が高まってきているんでしょうね。
弊社の特徴的な育成のプログラムを紹介すると…。

まずは『SDP』(Speciality Development Program)制度。
若手社員が、配属された職務領域のプロになるためのスキルや知識を習得するプログラムです。入社以降30歳までを目安とし、職務領域は素材営業・素材技術・医薬医療営業・医薬医療技術・エンジニアリング・機能スタッフの6カテゴリーに分けています。
各現場での「OJT」によって仕事の経験を増やしていく「配置」、社内外の研修による「Off・JT」、それらを評価する「アセスメント」などによって、個々人の成長度合いや適性を段階的に評価しながら、能力の向上を体系的に進めています。
例えば、1年目は、会社そのものに適合しているか? 6年目の時点では、今後どう成長していけそうか? 8年目では、ちゃんと一定の育成が完了しているか? 不充分な能力はないか?…といったポイントでチェック。それぞれの領域の部門長・部長クラスで組織する「SDP委員会」メンバーが、面談などを通じて確認し、その後の専門教育の必要レベルやジョブローテーションの検討を行う仕組みです。

ふたつめが『MBA』(Material Business Academy)研修。
素材営業力の強化を目的としています。素材営業職に配属されると、入社1年目に2~3か月を掛けて様々な素材のことを幅広く学習し、その後入社2・5・8年目の時点でも、帝人グループが扱う様々な素材の情報や関連するマーケティング知識など、最新の情報にアップデートする機会を設けています。
原則は、自らが担当する素材について、いかに早くプロとしての理解ができるようになるかを優先しますが、一方で早い時期に事業横断的な視座も養い、より最適なソリューション型提案をできる知識やスキルを身につけてもらいたいという思いもありますね。

知識としては『MBA』で横に広く捉えながら、業務経験としては『SDP』で縦に深く掘り下げていくイメージでしょうか。

もうひとつ、ヘルスケア事業の営業職に配属されると『ヘルスケア事業研修』というものもあります。
医療関係者のニーズに合った医薬品情報を的確に提供できる「MR」(医薬品営業職)や在宅医療事業営業職の養成研修で、成果のひとつとして1年目の終盤でのMRの資格取得を目標としています。入社後の導入研修以降も、情報や知識を最新に保つための研修やキャリア別・製品別でのプログラムなど、専門的な領域も継続的・計画的に受講できるよう準備されています。

いずれにしても、まずは20代のうちに、自らの軸となる分野の知見を身につけ、一人前になってもらおうというのが基本的な育成方針です。
ですが、「変化」を信条とする弊社においては、組織や部署・チームの組み替えや新設、分離・統合などは常に発生する可能性があります。ですから、社員に対して特定ジャンルのスペシャリティを求めながらも、その周辺領域についてもフレキシブルに学習できたり、他事業での成功事例について容易に知り得る環境を担保していかなければなりません。市場から求められることもどんどん複雑になっていますから。複数事業の知識を持ったうえで営業活動をしていくといった高度なケースも、今後ますます増えていく気がします。「専門性」という言葉の概念自体が少しずつ変わっていくかもしれませんね。

帝人株式会社_2_SDP研修

グローバルマインドを育む。新人研修は海外でも

今年は約100名の新入社員を迎えました。事務系が約6割、技術系が約4割。
配属部門は入社前…10月の内定式の時点で伝えています。心の準備や気持ちの切り替えのためにも早い方がいいという判断で。

入社後すぐに約1か月の合同「新人研修」を実施しています。
前半は愛媛県、弊社の松山事業所にある研修施設での合宿。テイジングループの理念や歴史、業容やビジョンなど会社の概要や社会人としての基礎を学んでもらいます。

後半は「海外研修」。これは2011年から始まりました。
その前年の若手社員対象のアンケートで海外赴任の可否を聞いたところ、家庭の事情のある数人を除いてほぼ全員が「行きたい」と回答したんです。当時のニュースなどによれば、若手社員で海外赴任を希望する割合は確か半分前後でしたから、グローバルな意識の高さは当時からあったと思います。そのポテンシャルがあるのなら、最初にもっと視野を拡げてモチベーションや学習意欲も上げてもらおうということで導入が決まったんです。
行き先は、インド・インドネシア・ベトナム・タイ・中国などのアジア諸国。グループ会社や現地の日本企業の視察、現地の学生とのディスカッションの他、現地での新しいビジネスプランをグループ別に討論して設計するワークショップもあります。ワークショップの最後には発表会もあり、優秀案は帰国してから再度発表のうえ評価する場も設けています。
訪問するのは、『帝人』の今後のグローバル戦略においての重点戦略地域です。これからの君たちのビジネスの対象はこうした海外の国と人。こうした国々の人たちのために役に立つビジネスをやっていくのが君たちなんだ…というメッセージを込めています。海外でのビジネスは過酷かもしれないがとても魅力的でもある。そう感じてもらえるインパクトを期待していますね。

帝人株式会社_3_海外研修

チャンスも挑戦の場もたくさん。後はどう活かすか?

早い時期から仕事を任せてもらえる会社だと思いますね。「1年目なのに、こんなことまでやらせてもらっていいの?」と思っている新人もたくさんいるはずです。
できるだけ早くひとり立ちして欲しい。そのためには何よりもたくさん経験を積むこと。上手くいかないことやわからないことも試行錯誤のうえで克服しながら。そんな思いの結果ですね。
個人的には、とにかく早い時期にひとつ成功体験を…と思っています。それが自信になって次の一歩が踏み出しやすくなるんじゃないかと。そして、それをきちんとサポートするのが、上司や先輩の大きな役割なんでしょうね。困ったり迷ったりしたときにも、タイムリーにフォローしながら…。
その具体的なものが「チューター制度」の導入です。1年半の間、新入社員ひとりひとりに若手先輩社員が担当としてつき、定期的な面談などを通じて、職場への適応や業務の習得度合いの確認の他、アドバイスをしたり相談に応じたりしています。

異動に関してもかなり柔軟度の高い環境ですね。
「自己申告制度」があって、毎年春に行われる上司との面談の際に異動の希望が申告できます。調整と評価次第では、ダイナミックに大きく担当分野を変えることも可能です。
「ジョブチャレンジ」と言って、人財需要のある部署が社内公募を出し、その条件やニーズと個人の希望がマッチすれば面談。合格すれば異動できる制度もあります。

企業理念のひとつとして「社員と共に成長します」を掲げています。だからこそ、社員の成長を圧倒的に後押しする企業文化がないとダメなんです。せっかく入社してくれた社員が、活躍の場所がないと思ったり、仕事としての充実感を感じられなかったりするのは、本人にとっても会社にとっても不幸です。
どんどん変化する。だからチャンスはいっぱいある。新しい挑戦の場もたくさんある。スキルアップや学習のための仕組みもある。そして、それを真っ向から受け止められる人が思いっきり頑張る。それが『帝人』です。

帝人株式会社_4_異文化コミュニケーション交流会

最後に、「就職活動に臨む学生にアドバイスを」と尋ねてみた。

視野を広く…ですね。
やりたいことがあったとして、それがひとつのフィールドでしか成し遂げられないのかというとそうじゃない。場が違っても、自分のやりたいことが当てはまるカタチはたくさんあるはずなんです。
「この企業じゃないと」「この部署じゃないと」ではなく、「そこで自分のやりたいことをどうやるか?」をきちんと考えれば、やれることはたくさん見えてくる。そんな気がします。

 私自身も、もともと仕事としては営業職しか考えていませんでした。と言うか、営業しかできないと自分で勝手に線を引いて思い込んでいました。でも、なってみて初めて自分の違う側面や可能性、興味とかも発見できました。人事のフィールドでもまだまだ…いろんなことにチャレンジしたいと思っています。

そう締めくくった上沼グループ長。まさしくそこに「ベンチャー・スピリット」あり。

 

 

企業公式サイト http://www.teijin.co.jp
採用情報ページ http://www.teijin.co.jp/recruit/index.html