「成長」の瞬間 【「 自信」はここからはじまった。 】
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信頼って大事。スタッフとのいい関係から始まる お客さまとのいい関係

株式会社エスエルディー

ブランディング推進室 マネージャー

高野 愛実

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『株式会社エスエルディー』は、2004年設立の総合エンターテインメント企業。
「To Entertain People~より多くの人々を楽しませるために~」をビジョンとし、食・音楽・アートと、幅広い領域に渡ったカルチャーを融合させてコンテンツを作り、直営店舗や他社の空間プロデュース等を通じて提供する事業を展開している。
『kawara CAFE&DANING』をはじめとする直営の18ブランド・全国約70店舗の企画運営を中心に、出店から運用に向けての他社のコンサルティングにも対応。また、野外音楽イベントや店舗でのライブイベントの企画、それらの実施施設の運営、さらには音楽レーベルそのものも手掛ける。
そんなスペースの価値、生産性の最大化にこだわる急成長企業のブランディング推進室で、採用全般の統括マネージャーとして活躍する高野愛実さん。今回は、勢いあるコンテンツ提供企業の人材育成風土と彼女自身の成長エピソードについて聞く。

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使う側から迎える側に。心地いい接客を自分の手で

【Q】『エスエルディー』入社の経緯を?

2010年、『エスエルディー』初の新卒入社です。
もともとの就職観としては、サービスを提供する仕事がいいと思っていました。食べ歩きとファッション、漠然と好きなふたつのジャンルのどちらかかなぁと。
比較する意味で、両方のアルバイトをしてみた結果、アパレルの仕事は、販売するもののテイストやブランドによって、どうしてもお客さまの系統や年齢が限られてしまう気がして。それよりは、飲食系の仕事の間口の広さや、幅広い層のお客さまと接することができるところに魅かれましたね。特にカフェの持つキャパシティと言うか、使う人の目的に応じた柔軟性の高い心地よさを提供する感じが自分にフィットしました。

『エスエルディー』に入社したきっかけは、『kawara CAFE&DANING』の利用者だったことです。いくつかあったよく行くお店の中でも特にお気に入りでした。元気な挨拶、気持ちのいい接客、気取らない雰囲気が好きでしたね。調べてみたら、運営会社の『エスエルディー』が初めて新卒採用をするって。早速応募して一番乗りで説明会に参加しました。

就職活動の時期は、いろんな企業がいろんな情報をどんどんオープンにしてくれる貴重な機会です。そう思ってたくさんの会社に訪問したし話もお聞きしました。でも『エスエルディー』が一番でした。ずっと積極的にアプローチしていたからか、ありがたくも早々に内定をいただけて。

その後すぐに、アルバイトとして働かせてもらえたので、大学4年生の4月から『kawara CAFE&DINING 宇田川店』でお世話になって。結局は、正式入社の1年前から働いていたことになりますね。夏頃には『銀座店』に異動。『エスエルディー』にとっては初めての銀座出店でした。

正式に入社した時点で、出店準備に入った『HIKARI cafe&dining 銀座店』に配属して欲しいと志願しました。
この頃には、立ち上げの段階からも携わっておきたいと思うようになっていて。ホールやドリンクの担当だけでなく、調理の方もやりたいとか、とにかくいろいろ見たい、たくさん経験を積みたいという思いに溢れてましたね。
だからこそ、自分に足りないスキルがあれば、必死に勉強したり練習したりしていました。例えば、調理に挑戦したいなら野菜の切り方からマスターしようと思って、毎日野菜を買って帰って、家でもずっと千切りの練習をして、サラダばっかり食べていたときもありました。
何か新しいことにトライするときはエネルギーが必要で大変だな…と感じたこともありますが、その結果、自分にできることが増えるとすごく嬉しくて。自分にとってはやりがいがあって良かったなぁと感じています。

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スタッフ全員と一生懸命話すことで変わった 関係、視野、そして考え方

【Q】「成長」のターニングポイントは?

入社して半年後に店長に昇格しました。そしてその数か月後には、兼任店長的なポジションで2店舗の管理を任されて。
入社2年目を迎え、複数店舗のマネジメントを担っていたこの時期が大変でしたね。今思えば一番悩み、また成長したときでもあった気がします。

『エスエルディー』のモットーは「店舗主導」。やるべきことは経営層から降りてくるのではなく、何が大切か? 何が必要か? 何をするべきか?…は常に現場の方で考え検討して、意見やアイデアを上申するという「全員企画、全員現場主義」が浸透しています。
ところが、管理業務に比重が掛かると、どうしても現場に触れる時間が少なくなります。スタッフの思いや状況をキャッチアップできる機会が減って。
困りましたねぇ。で、出した結論は、とんでもなくアナログな方法ですが、スタッフとのコミュニケーションをとことん増やすことでした。そして、自分の融通の利く時間のほとんどを費やしました。2店舗でアルバイトを含め約50名のスタッフがいて、全員と面談をしました。30分から長い場合は2時間程度、ずっとローテーションを組んで。

自分なりに工夫したこととして、事前に「アンケート」を書いてもらっていました。どういう風に働きたい?…とかやりたいことの希望とか、仕事をよりよくするためのアイデアとか。先に一旦考えてもらうことで、少なからず整理された状態で話ができると思いました。可視化されたものを間に置いて話をする方が話題がブレにくかったですし。
そのうえで、そのアンケートに面談でより深められたポイントや私の意見など、どんどんメモを加えていきました。そうすることで、単なるアンケートからひとつの「情報伝達ツール」としてより価値のあるものになっていった気がします。自分からの起案資料としてもそのまま活用していました。

忙しい実務の流れの中で、常時面談の時間と頻度を確保していくのは本当に厳しかったですね。なかなか時間の合わないアルバイトのメンバーとも苦労しながら時間を調整して。
でもスタッフそれぞれが、何をしているのか? 何を考えているのか? 何を感じているのか?…を知ろうとすることで信頼関係が築けたと思います。話すことの大切さ、気持ちを通わせることの大事さを実感しました。人との接し方が大きく変わった、そんな時期でしたね。

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充実した採用に向け新たなイベントにもトライ

【Q】現在のお仕事は?

その後もいくつかの店舗で、現場よりのマネージャーという立場で約5年半勤めました。
2014年に、社長直下のプロジェクトとして人材採用と社員教育の強化を担う今の部署へ異動となり、主に採用を担当しています。今年の1月にマネージャーになりメンバーも増え、より組織的に動けるようになりました。
新卒者については毎年50名程度の採用を目処に、採用方針や企画・計画の立案から説明会などの運営まで携わっています。

今年初めて『SLDキャリアフォーラム』というインターンシップイベントを開催しました。会社としての「らしさ」を体験し理解してもらうと同時に、就職に関する悩みや進路相談も受け付けています。
もっとフラットにキャリアデザインのサポートができたらなぁという想いで企画したイベントなので、キャリアに関するトークセッションの場では、アーティストやフードコーディネーターの方と弊社社長の3人に登壇してもらい、三者三様のキャリアに対する考え方や経験を話してもらいました。
学生のみなさんからの反応も良く、今後の新卒採用を考えるうえで有意義なイベントになったと思います。

中途採用やアルバイト採用も本社での一括管理です。年間で1,200名程度の規模なのでなかなか骨は折れますが、コスト面においても合理的ですし、きちんと一元的に対応していくことで評価もより行き届くはずだと。
特にアルバイトに関しては、限りなく本採用に近い手続きで進めているので、大事にされている感じがする…と当事者からも好評です。そのおかげか他社と比較して勤続年数が長いですね。

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主体性を活かした育成制度。それぞれの接点を拡げて

【Q】人材育成の仕組みを?

独自のプログラムとして『SLDアカデミー』があります。
役職に応じて必要なスキルを学ぶ研修プログラムと、社内外いろんなジャンルのスペシャリストを講師に招いてインプットできるプログラムを設けています。調理やドリンクのレシピやテクニックの他、ベーカリー、アイシングクッキー、チョークアート、アンティークペイント、グラフィックデザイン、カメラ、フラワーアレンジ、英会話…とカリキュラムは多彩です。
日々の業務に没頭すればするほどマンネリに陥ります。ルーティンの外へ…違うものに目を向けるきっかけとして、こういう場は必要だと思います。敢えて実務から若干はみ出すものもありますが、アイデアの触発とかモチベーションの向上のために設けています。私自身、とても役に立ったので、現場にいた頃は特に、部下などへ参加を積極的に促していました。

『地域間交流研修』もいい刺激になってますね。
以前から店舗間で自主的にやっていたことを、この4月から正式に全社的な制度として確立させました。店長・副店長クラスから若手まで、月に1~2名を2週間程度相互派遣します。個々のお店のノウハウを教えたりマインドなどを注入するなど、地方の新店舗の強力な立ち上げ支援にもなっています。

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自慢は「人の良さ」と「いい関係」の相乗効果

【Q】社内の雰囲気と「自慢」できるポイントを?

これを言ったらダメかな?…っていうのがない風土。考えてやろうとすることを規制する複雑なルールがないですね。異動も一方的な命令ではなく、希望を聞いてもらえたうえでの調整が中心ですし。ひとりひとりが動きやすい構造と言うか、縦構造になっていない分、横のつながりが強くてお互いをフォローする感度がとても高いです。

自慢できること…「人の良さ」でしょうか。
より多くのお客さまに楽しんでいただきたい。そのためのサービス向上であり自己成長…だとみんなが本気で思っている真面目さと素直さ。そこが一番のいいところなんじゃないかと。
自分の視野は自分で拡げて自発的に動く。自分にも周りに対しても壁が低い。だから、理解しようと踏み込もうとするし、成長させたいとかもっと関わりたいとかの意識も強かったりします。アルバイトの名前もちゃんと覚えようとする経営層や本部社員。一方で、お店が混雑していて忙しいときには、自分の担当以外も自主的に手伝うアルバイト。
良い環境の連鎖と言うか、循環と言うか。人が人を呼ぶ感じで。社内イベントも多いですが、毎回参加率もものすごく高くて。とにかく仲がいいです。
どんな仕事をしているか?…以上に「誰と仕事をしているか?」にこだわる空気がベースに流れている気がします。

今の採用の仕事、本当にやって良かったと思っています。
「人」をつくれば…気持ちや技量を高められれば、必ずお客さまにも喜んでもらえるし業績もついてくるはず。自分ももっともっと知識やスキルを上げて専門性を高めて、「人」づくりに貢献していきたいですね。

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「就活生にひとこと?」と最後に尋ねた。しばらく考えて答えが返って来た。

採用の現場で最近気になるのは、思った以上にみんな仕事に向き合う「軸」をきちんと持つことにこだわってるなぁって。学生の時点できれいな答えが出るはずはないし、無理しなくていいと思うんですね。むしろ決めつけようとする方が不自然。ブレててもいいし、変わっていったらいいし、結果30歳ぐらいでぼんやり見えて来たら充分だと思うんです。
若いうちは、そのエネルギーを上手く使うことを優先したらいい。そこにあるできそうなことをとにかく頑張る。まずは一生懸命やってみることなんじゃないかと…。

そう言いながら照れくさそうに笑った高野さん。彼女は今日も一生懸命だ。

 

企業公式サイト http://www.sld-inc.com
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