「成長」の瞬間 【「 自信」はここからはじまった。 】
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新たなキャリアのカタチ。“熱”が支えるダブル・チャレンジ

株式会社ユーザベース

人事マネージャー

村樫 祐美

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『株式会社ユーザベース』の企業ミッションは「経済情報で、世界をかえる」。企業活動の意思決定を支える情報インフラの構築を追求し、10年足らずの期間で社員数約230名の規模にまで急成長を遂げている。
企業・業界分析のためのオンライン情報プラットフォーム「SPEEDA」と、ソーシャル機能を兼ね備えた経済ニュースプラットフォーム「NewsPicks」が提供するサービスの柱。世界中で愛される経済情報インフラをつくること、そして世界一幸せに働ける組織をつくることを目指す。
また、「7つのルール」(自由主義でいこう、創造性がなければ意味がない、ユーザーの理想から始める、スピードで驚かす、迷ったら挑戦する道を選ぶ、渦中の友を助ける、異能は才能)を会社の価値である企業バリューとして掲げ、徹底した浸透を図るブレないスタイルは、明らかに独自の文化と「UZABASEらしさ」を確立している。
今回の主役は人事マネージャーとしてグループ全体の採用を統括する村樫さん。その劇的なターニングポイントと仕事に向き合う思いを聞く。


「がむしゃらに仕事がしたい」が世情に削がれ転職を決意

【Q】入社までの経緯は?

営業系の仕事がしたい。学生時代はそう思って就職活動を進めていました。
イギリスに住んでいたことがあったのと東京外国語大学で学んでいたこともあり、語学を活かせる仕事に就けたらいいなと。海外への赴任も視野に入れていました。

2008年4月に、新卒で大手自動車メーカーの系列商社に入社しました。当時伸びていた業界だったし、海外のチャンスもあるんじゃないかと期待して。
半年間の研修を終えた後、配属されたのは経理部財務課。若干思惑が外れたのと、大学では語圏の文化や言語を中心に学んできたので、最初は戸惑いました。
でも、仕事として「仕分け」や「レート」といったものに触れたり財務分析に携わっていく中で、数字の世界は面白いと思うようになりました。数字から見る社会ってこういうものなんだと感じることができたと言うか。
ところが間もなく状況が激変します。
「リーマンショック」…それまでは順調だった業界でしたが、動きが突然止まってしまって。業務が少なくなり、暇を持て余す日も頻繁にありました。

もともと大きな人生設計を持っていました。
30歳までには結婚して、子供ができたら仕事を辞めようという。その代わり、それまでは本気でがむしゃらに仕事をしようと思っていたんです。だからせっかく入った会社だし、自分なりにやれることを一生懸命探しながら頑張ってはみました。

そうこうしながら大きく事情が変わらないまま2年半が経ち25歳になった時、なりたかった状態に一向に近づけていない自分に愕然としました。このままじゃダメだ。時間がない。ということで転職を考えたんです。
やっぱり語学を活かせる仕事、直接社会に触れられるような仕事、そして規模は小さくても裁量権を持って働ける会社…といくつかの条件はありましたが、とにかく業種業態にとらわれず、「がむしゃら」でいられる環境を探しました。

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軽い気持ちで臨んだ面接で圧倒。衝撃的な熱に入社を決意

【Q】『ユーザベース』との出会いは?

2011年6月。転職活動中にエージェントから紹介された求人の中に『ユーザベース』があり、面接も決まっていました。ただ、面接前に他社で内定をいただけたため辞退の連絡をしました。そうしたら、エージェントから「一度話をするだけでもいいので」と言われ、行くだけ行ってみようか…という軽い気持ちで臨んだ面接でした。

ところが、なんと2時間半。当時の代表をはじめ取締役、実務メンバー、現代表の稲垣など次々と入れ替わって話をしてくれたんです。対応の手厚さにも驚きましたが、何よりも「熱」が衝撃的でした。
自分たちが提供するサービスに対する愛情と誇り。自社の考え方・事業・文化が絶対に成功すると信じて止まない強い想い。会社として存在する意義を、経営層だけでなく社員ひとり一人もはっきりと語り切る姿に圧倒されました。そんな会社、見たこともなかったしあると思ったこともなかったし。

当時は20名程度の規模で将来どうなるかも予測できなかったですが、全員が同じ目標に目を向け同じ世界を追い掛けるこの人たちと働いて、万一ダメだったとしてもしょうがない。とにかく一緒にがむしゃらに頑張って未来に賭けてみよう。そう決心したんです。
『ユーザベース』に入社したこと自体が、間違いなくターニングポイントでしたね。

入社後は、『SPEEDA』のコンサルティングサービスチームでお客さまからの問い合わせや依頼の対応窓口を担当し、その後もいくつもの業務やポジションを経験させてもらえました。
そもそもずっと「がむしゃら」にこだわっていたのは、自分にとっての「人生を賭けてやりたいこと」が漠然としていたからで、それをはっきりさせるためにはたくさんのチャレンジを重ねないと無理だと思っていました。ちょうど会社自体が新しい領域に事業を拡げようとしていた時だったこともあり、様々な業務を経験できたことは運が良かったと思っています。

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劇的展開。悩みがやる気に変わった日。初めての仕事+働き方への挑戦

【Q】本当のターニングポイントは別にあった?

もうひとつの大きな転機がありました。
2014年の夏に結婚して名古屋に住むことになったんです。『ユーザベース』には働く場所や時間に規制やルールがないので、リモート・ワーク(在宅勤務)は可能でした。でも東京近郊より遠距離のケースはそれまでなかったんです。
プライベートでの新しい生活や環境にも早く慣れて落ち着かないといけない中で、前例のない働き方で結果を出せるのか?
その頃は『SPEEDA』事業開発のチームに所属していたんですが、急対応時などに駆けつけられないことが迷惑やハンデにならないか?
とても不安になりました。
同時に、結局どの領域で自分がプロフェッショナルとして成立したらいいのか…悩んでいて、仕事への情熱が失せそうになっていた時でもあって、すごく辛かったですね。

まさに文字通りのターニングポイント、大きな岐路でしたね。
状況や自分自身ときちんと向き合って本気で考えなければ…と悩んだ結果、社内のメンバーが忙しくしていた時期にもかかわらず、申し訳ないと思いながら1か月の休暇をお願いしたところ、快く承諾してもらえたんです。

その時に言われました。
会社としても、今君に何をしてあげることが最善なのかわからない。でも仕事の仕方にやっちゃいけない制約はない。あるのは社員みんながハッピーに働ける組織をつくること。だから、まずは自分がどうしたいのかを考えて欲しい。それがあってこそ、その実現のためにどうサポートしたらいいかを考えられるんだから…と。
感謝の思いでいっぱいでした。

休暇に入ってからしばらくは主婦業に没頭してみました。でも数日で困りました。
何かが違う。やっぱり仕事がしたい。本気でしたい。じゃあ…何をする? どこでする?
まずはしたいことを決めよう。そしてそれがどのフィールドで実現できるのかはその次。ということで、自分と改めて向き合ってみることにしました。

いろんな業務や職種を任せてもらった中で、一番ワクワクしたことはなんだろう? 何に強く影響を受けたんだろう?…と巡らせた結果出てきたのが、「人に支えられてきたなぁ」という思いでした。家族や友人だけでなく、上司や同僚にも。
人と関わることが好き。しかもそれは自分と同じ目標を追っていたり価値観を持っていたりする人。そんな「人」の役に立ちたい。じゃあ、それを仕事として考えたら?…未来を共有できる仲間の自己実現のサポートなのかも。
こうして出したのが、人事か組織コンサルのプロになろうという結論でした。

ただその職域は実務経験がありません。やったことのないことをイメージするのは難しく、次の「どこで?」を考えようとしたときに、名古屋の新しい会社でキャリアを積む方が妥当なのかも…と考えたものの、とても迷いがありました。
そこで、思い余って会社に相談してみようとしていた矢先、すごいことが起きたんです。

当時シンガポールに駐在していた社長の新野から連絡があって、突然言われました。「人事をやってみないか?」と。
あまりの偶然にただただびっくりしました。むしろ怖かった。こっちの気持ちや事情はまだ何も話してなかったのに。
慌てて「実は…」と自分のやってみたい気持ちを伝えたうえで、できることなら自分を成長させてくれた『ユーザベース』でやりたいけど、リモート・ワークでしかも未経験の仕事なので周りに迷惑を掛けることになるんじゃないかという心配も正直に話しました。
そうしたら「やってみなきゃわからない。できなかったらまた一緒に考えよう。」ということばが返ってきて。背中を押してもらえましたね。
社歴も浅い社員の働き方に対して、こんなにも会社が一緒に模索して本気で考えてくれるなんて…本当に嬉しかったです。

この頃の採用に関しては、マネージメント層が兼任で担っていたため、まだ専任担当がいませんでした。
ですが、その前年の2013年から海外にも事業進出が始まっていて、現地での採用に関しては日本の経験則や慣習が通用しにくく、専任を置いて新しい仕組みを作らなければならないということで、まさに経営判断として決まったタイミングだったようです。
そのうえありがたいことに、人事担当として適任じゃないかと思われたみたいです。後からわかったことなんですが…。
全社員が集まるミーティングがあるのですが、当時「7つのルール」の中からひとつをテーマとして選びエピソードを話すことになっていました。そこで私が仲間意識やスピード感についてスピーチした内容を聞いて、『ユーザベース』の人事は会社のバリューを深く理解している人に任せたいと思ったと言ってくれたんです。

本当に嬉しかったですし、改めて実感しましたね。やっぱり「人に支えられている」って。しかも「誰かの役に立ちたい」という思いも通じたって。

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自己コントロールと意思疎通の改善の毎日。目指すは「人事のプロ」

【Q】仕事での苦労と今後は?

リモート・ワークは何となく「いけそうだなぁ」という感じで始まったんですが、やっていくうちに困ることも出てきました。
ひとつは、「ON」・「OFF」の切り替えがしにくかったこと。通勤がないので、仕事の開始と終了をかなり強い意識でコントロールしないといけないんです。
新卒・中途を含め年間で30~40名を採用しているうえ海外の事業所は現地採用なので、それを全てフォローしていくのは結構大変です。エントリーの受付からリマインド、面接の日程調整と手が廻らなくなりそうな時もありました。やらなければならないことの数もそうですが、やりたいこともたくさんあって、あっという間に夜遅くになっている日も度々…。ただ、今はワーク・ライフ・バランスも考え、優先順位をより強く意識してタスクに取り組むようになりました。

もうひとつは社内の意思疎通。
傍にいればリアルタイムでの相談や報告が柔軟にできるんですが、接点が少ないため緊急度の高いものをつい優先してしまいます。重要ではあるけど今すぐ…ではないことがどうしても後回しになりがちなんですが、人事の仕事の場合その領域のものが多くて。
それと内外を問わずですが、メールでの文面やモニタ越しでの「Skype」応答が中心のコミュニケーションになるため、事柄の背景やニュアンスが伝わりにくかったり、相手の理解度や反応も汲み取りにくかったりします。これを克服するのには骨が折れました。今もできるだけ短いセンテンスとできるだけ論理的に構成した文脈でわかりやすく伝えることを心掛けています。

月に1~2回、東京の本社に来ていますが、後はずっと名古屋です。この形ももうすぐ3年になりますが、だいぶ慣れてきた感じですね。人事の仕事が好きだからかもしれませんが、仕事が趣味のようになってきているので、ON・OFFの切り替えという概念はなくなりつつあります。
とにかく自分にとっては難しさを承知のうえでのダブル・チャレンジ。初めてのキャリアに初めての働き方。周りのメンバーも協力してくれるし、採用でお付き合いのあるエージェントの方からも理解をいただいているので本当に助かっています。

社員の世代や国籍もますます拡がりワークスタイルも多様化しています。将来的には、社員誰とでも対話でき、困っていたら手を差し伸べ、働くみんなが「世界で一番幸せ」だと自信を持って言える組織になるよう、人事の側面からしっかり貢献したいと思います。必ず「人事のプロ」と呼ばれるためにがむしゃらに本気でやるだけですね。

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採用の見極めポイントはビジョン・バリューへの「共感度」

【Q】採用・育成の実情は?

今はまだ組織としての基盤づくりの時期なので、技術系のスタッフやアナリスト・編集担当などほとんどの職種において中途採用がメインです。
新卒に関しては若干名でもあるため、会社説明会を実施せずにインターンシップからのエントリーに注力しています。

新卒・中途いずれにも共通して言えることですが、採用に際して最も重要視しているのが「共感度」です。
メンバー自身が強いビジョンとバリューを持つことが会社の成長を加速させるという前提があり、その方向性が『ユーザベース』の目指す世界と合致するかどうかを徹底的に見るために、面接にかなりの時間を費やしています。
それぞれが実現したいこと・チャレンジしたいことのフィールドが自社内にあるのか? 働くことでお互いが幸せになれるのか?…を見極めないとお互いに辛くなりますから。

新卒者の育成に関しては、人数も少ないので、教育・研修の仕組みを盤石につくることにリソースを割くよりは、現場のマネージャーが確実にコミットする「OJT」の形を採っています。

いずれにせよ、世界一になるために規模もまだまだ大きくしていきます。新卒者の採用数も増やしていく予定です。
採用のスケールが変わっても基準は変わりません。むしろもっと明確にお互いの考え方が確認でき、一緒に働きたいと思ってくれる仲間が集まってきやすいような新たな採用の仕組みが必要だと。今まさに構想中です。

【Q】どんな人に来て欲しい?

「チャレンジ」する人、そして「素直」な人。
会社としてのビジョン・バリューへの共感があるのは前提なんですが、まずは何事にも臆せず果敢に挑戦できる人。若い世代に置き換えると、知らないことはやってみる。わからないことは素直に認めて学ぶ姿勢で取り組む。その意味での素直さですね。やってみて仮に失敗したとしても他責せず、失敗を認める謙虚な気持ちが成長をスピードアップさせるはずです。

それと「オープンコミュニケーション」に抵抗がない人。
お互いを尊重するからこそ、思ったことを率直に伝え違いを認め受け入れる。このカルチャーも『ユーザベース』の基本ですから。

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集団としてのおもしろさ、自由・裁量と責任のバランスが魅力

【Q】自社の魅力は?

人の「集団」としてのおもしろさですね。
みんな優秀だし向いている方向は同じなのに、実は個々にはユニークで価値観もバラバラ。いろんな個性が混じり合っている集団です。言いたいことをいうし、時には厳しいこともはっきり言う。でも相手を頭ごなしに拒絶したり否定したりしない。「異能は才能」という「7つのルール」のバリューがまとめていると思います。

自由度や裁量と責任。その「バランス」も魅力のひとつだと思います。
例えば、出勤形態は自由です。勤務した時間を自己申告する性善説に立った管理方法で時間に拘束はされません。その代わり、タスクの達成や成果に対して課せられる責任も大きいです。
自己裁量の範囲もそうです。自分もそうでしたが、若くしてこんなことまで決めてやっていいの?…とドキドキしました。でも一方で強い責任感も芽生えます。自分がコケたら会社もコケる? 会社を守るのは自分だという自意識に裏打ちされた裁量。そんな風土が私は心地よく感じますし、より成長へと繋がっていると思います。そしてそれをコントロールする文化としてのガバナンスもとてもいいところだと感じています。


コミュニケーションに気を遣ってきたというだけあって、村樫さんのことばは歯切れ良く立体的でわかりやすい。
会社の「バランス」を魅力としたが、仕事と家庭、ミッションと思い、そして周りの人を思いやる間合い、そのどれにも村樫さんの卓越した「バランス」感覚が伺える。

最後に就活生へのメッセージを依頼した。

「目的」…本当の目的をちゃんと考えて行動するってとても大切なことだと思います。
今は情報が多いしものの見方も多様化しています。だからこそ本人の中にしっかりと主体性を持って、「自分はこのためにこのことをするんだ」という芯をきちんと持っていないと、やろうとしていることそのものもつまらなくなってしまうんじゃないかと。
新しい世界に飛び込む以上、いっぱい考えていっぱい楽しんで欲しいですね。

そう答える笑顔はとても穏やかで心地いい。

 

企業公式サイト http://www.uzabase.com
採用情報ページ https://www.uzabase.com/recruit/occupation/