「成長」の瞬間 【「 自信」はここからはじまった。 】
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飽くなき探究心と目標意識を支えるマジックワードは「健全な欲求不満」

株式会社 リコー

CIP開発本部

森脇 祐太

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1936年の創業以来、オフィスオートメーションの先駆者として業界を牽引するグローバル・カンパニー『株式会社リコー』。プリンター・複写機・ファクシミリ・カメラに始まり、複合機や画像機器、サーマルメディア、プロダクションプリンターからネットワークシステムへと開発領域を拡張。ビジネスの合理化と生産性向上に向き合い続ける。
さらに卓越したデジタル技術とIoT・AIノウハウを活かし、ドキュメント環境の管理運用支援やITインフラサポート、クラウドコンピューティングなど、ワークスタイルの変化とともにソリューションとサービスを大幅に多様化。時代を先取りする創造力・発想力により、常に新しい価値と変革を提供するスタンスを、そのコーポレート・タグライン「imagine.change.」に込める。
新価値創造企業『リコー』で、産業用次世代高速印刷機の新技術開発に取り組む森脇さんが今回の主役。エンジニアならではの就職観、そして“ターニングポイント”と成長とは。その本音に迫る。


機械から光へ。あえて学ぶ道を深めた自分に刺さった『リコー』からのメッセージ。

【Q】入社までの経緯は?

大学の時は機械を専攻していました。
自分なりに一生懸命勉強はしていたつもりだったんですが、「量子力学」の分野だけがなかなか理解できなくて。結局、大学院に進むことを決意しました。せっかく学んだことに、わからない部分を残したままで社会に出たくないと思ったので。
大学院は、それまでの専攻領域を延長して深める進み方が一般的なんですが、あえて機械とは別の、理解を積み残してしまった物理・化学のジャンル、光の学問を追い掛ける道を選びました。

その後改めて就職を考えることになったとき、基準にしたのは、せっかく身につけた機械と光学、両方の知識を活かせる職場は?…でした。
そう思ったとき、「機械」+「光」=プリンターを作っている企業=『リコー』という名前が、割とすんなり自分の頭の中に浮かびました。というのも、当時兄が勤務していた会社の親会社が『リコー』だったので、縁というか、もともと近い距離にあったんでしょうね。
選択範囲を決めてしまった分、就職活動先はかなり絞り込まざるを得なくて。メーカー系としては『リコー』だけで、後は研究機関などをエントリーしていました。

そんな中、企業情報を収集していてすごいものに出会いました。『リコー』が、Webサイトに採用メッセージとして掲げていた「健全な欲求不満」ということば。これがど真ん中に刺さりました。少しだけこだわりながら生きてきた自分の今に、ぴったりとハマった気がしたんです。
苦手なことでも面白がったりする、ちょっと逆説的な部分が自分にはあります。大学で満足しきれなかった気持ちを、大学院に上がることで解消させたこととも、きっとオーバーラップしたんでしょうね。そこからは『リコー』一本に絞って。2010年4月、無事入社の運びとなりました。

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San-ai ドリームセンター:LED広告塔(銀座)

複数部門の変遷の中での新技術開発。技術系スタッフとしてはレアな経験。

【Q】『リコー』入社後の経歴は?

技術系の新人は、全体での研修後、先輩が作った製品の評価担当から業務がスタートします。
2年目に入ったとき、機械も物理もわかるならと、所属していた隣の部署から声を掛けてもらって。そこから約1年半、インクジェットプリンターの新しいプリントヘッドの開発・設計に携わりました。
そして2012年の途中からは、建築現場などで使われる広幅プリンタの新機種開発を担当しました。

2013年、4年目の春に、チームリーダーに抜擢してもらいました。小型高速プリンタのモジュール開発チームのリーダーをやってみないか? …と。
すごく大変でしたね。初めて挑戦する技術だったにもかかわらず、少人数で、しかも5か月という短期間で仕上げなければならなくて。もうとにかく必死でした。
でもみんなで協力してとてもいいものができました。辛くもありましたが、人と人とを繋ぎながら何かをやり遂げていくということがとても面白かったです。新しい貴重な体験の場でした。

その後もプリンターの印字技術を開発するユニットのリーダーを経て、2年前からは、高速・高画質かつ低コストでの稼働が可能な次世代印刷機のメカ・システムの開発を担当し、今に至ります。

今回の取材を前に、実はかつての上司に逆取材をしてきました。技術職の場合、自分のように短いスパンで異動を重ねているのは割とレアケースなので、当時自分がどう思われていたり評価されていたのか気になって。改めて聞くのは、なんとも恥ずかしかったんですが…。
機械も物理も化学もわかっているバックボーンもあったし、視野の広さも感じていたし、いろんなことをいろんな角度で見ることのできる人になって欲しかったから…と言っていただきました。
ありがたかったですね。期待してもらえてたんだと。どのステージでもとてもいい経験を積ませてもらえたと実感しています。

リコー_2_製品

とにかく動く。初めてのリーダーで行動基準を再認識。自分が変われば周りも変わる。

【Q】ターニングポイントは?

やはり、初めてチームのリーダーを任されたときですね。
あの時期が、自分にとっての「ターニングポイント」だったと思います。「このモジュールを全部君に任せるから、いいと思うようにやってみていいよ」と言われて。
それまでは、誰かの指示で動いていたのが一転。自分の意思で行動に移せる機会をもらったことが、とてもありがたくもあり、一方で大きなプレッシャーでもありました。自由度が与えられた反面、当時3名いたメンバーの業務をマネジメントすることも課せられたわけですから。特に、コミュニケーションをどうとっていくのかが一番重い課題でした。

突然の環境の変化に一瞬戸惑いはしましたが、実はそんなに長くは続きませんでした。自分にとっての結論は割と早かったです。「とにかく動こう」と…。

高校生のとき、陸上部に所属していたんですが、記録が伸びずに悩んでいて、フォームがどうとかコンディションがどうとか理屈をこねていました。もともと頭でっかちなタイプだったんだと思います。
ひとりの先輩に、「走ることで見えてくることもあるから、とにかく体を動かしてみろ」と言われてものすごく楽になって以来、まずは行動すべし…という情熱みたいなものが、自分のベースに備わった気がしています。

会社に入ってからも似た場面があって、2年目のときの上司に、「たくさん理論を勉強していても、いくら理屈を振り回していろいろ考えても、まずはやってみなけりゃ上手くいくかどうかなんてわからないから」と言われました。
高校のときのきっかけもあって、人に対しても割と自分から働きかけたり巻き込んだりするようにはなっていたんですが、そんな自分を見て後押しをしていただいたんじゃないかと思います。これが決定打でしたね。毎日の中でのセオリーとして定着させられた感じでした。

ある瞬間に、自分が気になっていることと違うことに目を向ける勇気を持つ。迷ったとしても、まず動いてみる。動くことで次の何かが見えてくる。動いてみたら、新しい気づきや興味が拡がる。大きく立場が変わった今だからこそ、改めてそんな流れに自分を乗せよう…そう思いました。

一定のタイミングで報告を受けてきちんと答えを返す。そんなタイプじゃないですし、自分の方から動くことに決めました。
メンバーに自分から寄っていって、積極的に状況を聞き出すようにしました。そのうえで問題があれば、一緒に困って、一緒に悩んで、どう解決するかを一緒に考えて。他部署に頼れそうな人がいれば、一緒に聞きに行って、一緒にお願いして助けてもらって。
毎日の動きがガラッと変わった。そんな時期でしたね。

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リコー テクノロジーセンター(神奈川県:海老名)

信頼することで信頼される。自分の思いがカタチになっていく喜び。そこに成長が。

【Q】成長の実感はどんなポイントで?

そんな動き方をしていたので、自分の作業でもそれなりに忙しかったんですが、それ以上にメンバーのことが気になって。しばらくはなかなか早く帰れない日が続きました。
それでも良かったのは、こちらから先にヒアリングしていくことで、問題になりそうな状況やミスの予兆が早い段階で吸い上げられたことですね。結果としてトラブルが抑えられている事実に、お互いの安心感や信用が少しずつ蓄積されていったように思います。

そのうちに自分の担当業務が集中したりすると、否応なしに気を向けることが手薄になることも起きてきました。でもその分、メンバーそれぞれが、真剣に考えてくれたり責任を持って対応してくれたりしたことで上手く廻るようになってきて。任せること、委ねることも大事だということに気づきました。
信頼することで信頼してもらえたのかもしれませんね。気軽な相談や自発的な報告も増え、徐々に頼りにされてることを実感するにつけ、自分の成長も感じられた気がします。嬉しかったですね。本当にいい経験でした。
とはいえ、自分のことでバタバタしていて、相変わらずなかなか早くは帰れませんでしたが…。

「楽しい」仕事の原点は達成感の共有。だから、目的・意図・背景もきちんと説明したい。

【Q】今、心掛けていることは?

当時の充実感は、現在の職場でも大事な糧になっていますね。
今もチームとしての「楽しいこと」をどうつくっていくか?…を最大のテーマとしていますが、自分の課題は「達成感の共有」だと思っています。

大切にしていることは、メンバーにひとつひとつの仕事の「目的」や「意図」をきちんと説明することです。
よくあるケースとして言えるのは、仕事は降ってくるものだということ。なぜその作業が必要かとか、どんな目的でその業務に対応しないといけないのかとかが、明確でないまま進めざるを得ないことも思いの外多いんです。
作業内容がわかっていても、その意図が不明瞭だと、ゴールのイメージや納得感が希薄なまま動くことになります。そうなると途中で悩むことも増え効率も落ちます。自分も過去に何度もキツい思いをしました。だから、絶対に自分のチームメンバーにはそうしないと決めています。

この仕事は「◯◯のため」に必要。この作業にはこんな意味・価値がある。これによってこんないいことが起こる。これをやると誰々の役に立つ。そんな仕事の「背景」を、事前にできる限り丁寧に伝えるようにしています。
確かに手間ではあるし時間も掛かります。でもここをちゃんと話しておけば、その後の作業での試行錯誤や迷走が激減して、結果としてトータルの時間は短くなります。間違いなく合理的です。
しかも、自分がこの作業に対応することで、困っている誰かが助かる・楽になるといった成果のイメージが具体的であれば、どこを工夫したらいいか、どんな配慮をしたらいいかとかも自ずとわかってきます。

目的がはっきりすることで、達成した成果も際立ちます。目的や背景が前もって共有できていれば、達成感も共有できるはずです。チームにとっての最大の「楽しい」は、このできたときの感動を一緒に味わうことですね。

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RICOH INNOVATION GALLERY

「いきいきとみんなで働きたい」…日本らしい技術を誇るエンジニア集団を目指して。

【Q】今後の展望は?

まだまだ勉強中ですし足りないものだらけですが、「いいチームづくり」を目指していきたいですね。
世界に誇れる日本らしい技術を備え、毎日が面白いと思えて、失敗を恐れず成功を喜び合える。そんなエンジニア集団をつくっていきたいです。
「日本らしさ」ですか? 気が利いてる、思いやりや配慮や気遣いがある、なかなか壊れない…そんな定義でしょうか。
技術者としては変わってるかもしれませんね。個人としての技術力を深掘りしたいとか、いいモノを作りたいとかいう方が自然なんでしょうね。でも、「いきいきとみんなで働きたい」…ひとことで言うと、自分はこれに尽きますね。

【Q】自慢できる自社の育成の文化は?

「ペア・リーダー」はとてもいい仕組みだと思います。
新卒で入社した社員を、30歳前後の先輩社員がマンツーマンで面倒を見るトレーナー制度です。入社後の1年間、まさに師匠・弟子のような密な関係で。どちらにとってもいい勉強になっているんじゃないかと思います。
自分の場合も、先輩側での経験がすごく良かったです。できることや面白いと感じることがひとつずつ増えていくプロセス、自分が関わることで育ちつつある状態を、リアルタイムかつ間近で見ることができてかなり楽しかったですね。せっかくの出会いだったので、気兼ねなくなんでもしゃべり合える関係を心掛けました。過去にペアを組んだ後輩とは、4年経った今でも気軽に声を掛け合ってます。
それに、トレーナーに任せっきりじゃなくて、結構みんなが新人に目を向けてくれます。周りも一緒になって育てる風土のいいきっかけになっている気がしますね。

リコー_5_森脇&ギャラリー

ひとことひとことをゆっくりはっきり選ぶように語る森脇さん。その明確な目標からも生真面目さが伝わる。
なのに、エンジニアのイメージとは少なからず掛け離れた、少し熱めのヒューマニティも随所に溢れる。
最後に就活生に向けてのメーセージを聞いた。

素のままで、今「興味」のあることを一生懸命やったらいいと思います。
興味を持って本気で頑張ったことは、必ず活かせる場所があるはずです。ひとつでいいから、面白いと思うことをとことん突き詰める。それは絶対に周りからも重宝がられるスキルになります。
身をもって感じています。ある意味、偏ることはとてもいいことだと思いますね。

やはり一本気で少し熱い。
そしてその視線の先には、究極の「楽しいチーム」がある。

 

企業公式サイト http://jp.ricoh.com/
新卒採用情報ページ http://www.saiyoricoh.net/