君はこうなる!5年・10年 【 我が社の「若手育成計画」大公開! 】
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「挑戦する気持ち」と「主体性」を大事にする新たな企業文化を

株式会社 mediba

社長室 ビジネスエバンジェリスト

小原 聖誉

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『KDDI』グループのひとつとして、「auスマートパス」「au Webポータル」を始めとするモバイルメディアの企画・開発・運用と広告事業を担う『株式会社 mediba』。その設立は2000年。ネットワークやデバイスの急速な進化、メディアの多様化、そしてユーザーの行動・意識・嗜好の拡散と、劇的な変化を続ける業態内において、創業以来の知見・ノウハウと先進技術を絶妙にクロスオーバーさせながら、近年はゲームビジネスやアプリ事業にもその展開の幅を拡げ着実な増収増益構造を築いている。
「ヒトに“HAPPY”を。」をミッションとして掲げ、ユーザーのライフスタイル、そして社会そのものをより良く変革することに挑む成長企業『mediba』。今回は、社長室 ビジネスエバンジェリストの小原さんを訪ね、人材育成に関する独自のポリシーと環境や仕組みについて伺った。


mediba_1_エントランス

デジタルメディア領域でのリーディングカンパニーを目指して

弊社の事業スキームをわかりやすく言うと、『KDDI』および『沖縄セルラー電話』のサービスブランドである「au」とお客さまとの接点を、メディアを通じて構築するということになります。

メインは、約1,500万人に利用されている「auスマートパス」「au Webポータル」をはじめとした、弊社と『KDDI』が共同で提供する各種のスマートフォン向けサービスの企画・開発・運営。さらにそれらを通じて展開する広告の企画・制作・運用を担当しています。いわゆるメディア事業です。
また昨年からは、『KDDI』におけるゲーム事業を弊社に集約する形でゲームビジネスも始動。さらに、独自の情報発信や実用性の高いメディアを開発・展開する事業も進めています。
最終的には、デジタルメディアにおけるリーディング企業として、「au」ユーザーを含めたより多くのお客さまに広くサービスを提供していくことが目標ですね。

mediba_2_会議

「チャレンジ・マインド」こそが社風の根幹

『KDDI』を筆頭株主に、大手の広告代理店などと共同で立ち上げた会社が『mediba』です。
そもそもは、成長が見込める分野のビジネスに各企業が戦略的に出資したというのがその成り立ちで、創業からしばらくは、「au」のポータルサイトである「EZweb」を中心としたモバイルメディア・広告事業が主軸でした。

ところが、スマートフォンが登場しその急速な台頭により、大きな過渡期を迎えます。
フィーチャーフォンの時代は、インターネットを繋ぐ際に必ずキャリア会社のポータルサイトに接続し経由する必要がありました。それがスマートフォンでは不要に。当時の我が社にとっては、経営の上でも危機的な流れと言えます。
このまま従来の事業運営を継続するのでは、縮小が見えています。新しいビジネスの創造に向け、大きく舵を切るべき状況でした。

その革新気運のひとつの象徴が、現在の社長の海本だと思います。
2013年に『KDDI』から出向し、14年に社長に就任しました。「auスマートパス」の立ち上げにも携わっていて、周りを巻き込む力も強く、とにかく個性的でパワーのある人です。『mediba』のカルチャーのひとつである企業としてのチャレンジ体質に、多大な影響を与えていますね。社長就任以降、広告事業のテコ入れ、M&Aなど積極的な新規事業拡張の結果、業績は安定して右肩上がりで、2014年からは3期連続の増収増益です。

とはいえ、現在も経営における危機感は持っています。
その一番の理由は「au」ユーザーが減少する可能性があること。「MVNO」などの進出によって、ユーザーのブランド移行や拡散がどんどん進むかもしれません。

でも、ポジティブに考えると、本気で未来を考える絶好のチャンスだとも言えます。
創業以来、着実に蓄積された膨大なノウハウとメンバーの知見。これらは紛れもなく有効な資本で、新たなビジネスジャンルの開拓においてもその強みが活かせます。
しかも、既存事業での収益もきちんと出せているため、すぐに成果を出しにくい新しいことにも着手できる余力のある環境でもあります。
これからのスマートフォンユーザーにとって何が役に立つのか、何が本当に喜んでもらえるものなのか。そんな本質的な次元からきちんとアプローチできる。「挑戦するマインド」が徹底的に培われる土壌。それが今の『mediba』だと確信しています。

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新たな創生を活性化する風土づくり。それが「創るを作る」

今年度の全社方針として、社長の海本が「全社一丸」を掲げました。
要は、挑戦するという経営課題に対しては、開発を担うメンバーも既存事業の担当者も、経営層もベテランも若手も、社員すべてがそれぞれの視点で取り組み、挑戦に協力しよう。そのための機会は全員に平等にある。お互いの意見や立場を尊重しながら、掛け算でパワーを最大化しよう。そんな思いが込められたメッセージです。
私は2016年の春に入社したんですが、この1年半余りの期間でも、そんな前向きなスタンスが、どんどん当たり前のように定着しつつあることにとても驚いています。

こうした風土の中での私のミッションが、「創るを作る」です。
新たなことを生み出せるマインドと機会を作る。チャレンジマインドを企業文化としてより根付かせ、それが発揮できる場や仕組みを作ることを標榜しています。
そんな自分にとって、最近すごく嬉しいエピソードがありました。

先日、これまであまり話をしたことのなかった新卒2年目のメンバーに、突然声を掛けられました。自分で企画した新規事業のプランをぜひ聞いて欲しいと。企画書もちゃんと作ってプレゼンをしてくれました。涙が出そうでしたね。
テーマはEC系のサービスについてでした。それなりに良くまとまっていたので、即日社長に報告しました。すると、すぐに打合せをしようということになって。海本の素敵なところのひとつです。まさに「オープン」…来るもの拒まず。社員との距離を自らどんどん縮めてくれます。
結局、一緒にブレストをしたうえで、いくつかの条件付きではありましたが、事業化を前提に具体的に検討しようということで即決されました。

もうひとつあります。これも最近のことですが、自社の広報の社内公募を実施しました。
「au Webポータル」「auスマートパス」といった基幹のサービスに関しては、本当にたくさんのお客さまにご利用いただいていますが、近年注力している新しいジャンルに関しては、サービスとしての市場スケールも認知度もまだまだです。ネット市場そのものの奥行きと今後の拡がりを考えると、スマホゲーム事業やアプリ関連の事業、さらに対象や領域を特化した付加価値情報発信のメディア事業などは、もっともっとPRを活性化して露出させていく必要があります。
そこで、社内公募をかけてみたいと思いました。「全社一丸」の一環で。結果として、40通の個別メッセージが届き、7名の応募が集まりました。この反応も嬉しかったですね。

今はまだ決して前のめりとは言えないかもしれないけれど、仕事の話をすると明確に自分の意見を話してくれる。そんなメンバーが多いです。だからこそ、いろんな場面や刺激を与えることで、「チャレンジマインド」の喚起をしていきたい。
社員みんなの挑戦を応援し後押しすること。当面の取り組みはこれに尽きますね。

もちろん私自身も、どんどん新しいことに挑戦していくつもりです。そのひとつが、新規事業の立ち上げです。自らも率先垂範して体を動かすことで、同じ立場になって奮闘していきます。 

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ユニークな卓球台型のミーティングテーブル

 役に立つサービスの提供。そのための挑戦。そのための人の掛け算

「ヒトに“HAPPY”を。」という会社のミッション・フレーズが好きです。
とにかく、みんなを幸せにすること、世の中の役に立つこと、ユーザーに楽しい体験を提供すること、そして期待を裏切らないこと…それがビジネスの大前提。そのためのサービスであり、挑戦だと思っています。
短期的な収益性の優先は持続性を失います。単なる情報や機能の供給では、ユーザーはついてきてくれません。困ったことや不便なことへのソリューションとより高い付加価値の提供、それらを誠実に積み上げていくことができれば、必ずユーザーに響くはずです。そしてそれは「au」ユーザーを起点により多くの人たちにも拡がり、しっかりとしたビジネスとして成立していくはずです。

このような大きな挑戦をしていくにあたって、「適材適所の掛け算」は重要なポイントになると思いますが、異なる部門や社員同士が協力関係を築けるところが、弊社のいいところのひとつです。
また、スマートフォンのメディア企画には、若い世代の発想や挑戦意欲は必須です。今の良い点を活かして、アイデアのある若手と実力のあるベテランの掛け算を促進していきたいですね。その意味でも、新卒者の採用と育成は大事な課題だと思っています。
新卒採用の実施は約10年前から。現時点で、約430名の全社員の1割が新卒採用者。とても元気だし頑張っています。会社を牽引し始めてくれていますね。

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大きな可能性、そして求められる主体性。そこにこそ成長

標準的な教育制度はもちろん整えています。でも、特に若手メンバーに対しての「人材育成」ということに関して言うと、『mediba』らしいと思えるポイントがいくつかあります。

先のエピソードにも出てきましたが、まずは「社長との距離が近い」こと。
どんなことでも、時間を割いてちゃんと話を聞いてくれますね。言ってくるなら上司を飛ばすぐらい本気で来いという感じです。話したいことがあるのに、そこに気を遣って話して来ないのなら、仮に将来マネージャーになったとしても、きっと実のあることは言ってこないはず。そんなシビアな判断もそこには加わっています。

ふたつめに、起案に対しては、ベテランがバックアップしてくれることですね。
アイデアや着想の面白さを求めてはいますが、どうやって具体化するか、実現に向けてどう進めるかなども当然必要で、本人にも考えさせるようにしています。ただし、事業計画的な高いレベルでそれを求めるのではなく、ディスカッションやフィードバックを重ねながら一緒に詰めていく流れです。
例えば実際のケースとして、入社時に地方創生事業に携わりたいと宣言したメンバーがいましたが、その気持ちを忘れずにずっと働いてくれていたので、今年プロジェクト化し担当しています。現在は、ビジネスとしての成立に向け、先輩たちがプロジェクトに参画し伴走してくれています。結果として、他業務との兼業で大変そうではありますが、やりがいを持って挑戦していますよ。

もうひとつは、「主体性」が問われている仕組みだということ。
自分のやりたいことがあるなら言っていい。いつでも聞くし、実現するための受け皿も検討する。ただし、自分が責任を持って先導して進めなさい。また、今担当している現業もきちんと担うこと。きわめて明快な法則です。
ある意味で、言い訳が利かない環境だとも言えます。早い時期から自己達成を試すチャンスは多い。一方で厳しさもある。成長のためには欠かせない条件ですね。

ビジネスモデルがしっかりしているし、いいサンプルもノウハウもある。きっと若手でも安心して働くことのできる職場だと思います。ただし、安住するとしたらもったいない。ちょっと背伸びをしたアグレッシブな目標を掲げたとしても、それが成就し得る仕組みや環境がせっかくあるんですから。
それぞれに「やりたいこと」の主張がはっきりしていて、それをお互いが尊重できて、達成できる可能性が感じられて、そのことを誇りに思える。この文化は、本当に大切にしていきたいと思っていますね。


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取材の最後に、就活生に向けた応援メッセージを聞いた。

学生の時期に、自分のいいところや強み、そしてやりたいことがはっきりしている人は、少ないのかもしれませんね。でもそれが見つけられれば、必ず行動に直結するはずなんです。
だから、できるだけ早いタイミングで、自分の「本音」に向き合うことじゃないでしょうか。自分自身の可能性を信じて、自分に聞いて欲しいですね。深く深く。「何がしたい?」「何ができる?」って。

文字通り、たくさんの本音に溢れた小原さんのことばから、『mediba』の開かれた文化が強く感じられる。
おおらかさと節度のバランス…そこには間違いなく自己実現のためのフィールドが待っている。

 

企業公式サイト http://www.mediba.jp
採用情報ページ http://www.mediba.jp/recruit/