「成長」の瞬間 【「 自信」はここからはじまった。 】
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自由裁量と責任。そのバランスにより最大化するチャレンジ・パフォーマンス

株式会社ユーザベース

代表:稲垣 裕介/エンジニア:矢野 勉・小玉 祐輝

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「経済情報で、世界をかえる」…それが『株式会社ユーザベース』の事業ミッション。企業活動の意思決定を支える情報インフラの構築を追求し、10年足らずの期間で社員数約230名の規模にまで急成長を遂げている。
提供サービスの二本柱、企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA(スピーダ)」と、ソーシャル機能を兼ね備えた経済ニュースプラットフォーム「NewsPicks(ニューズピックス)」に加え、日本最大級のベンチャーデータベース「entrepedia(アントレペディア)」とB2Bマーケティングエンジン「FORCAS(フォーカス)」のサービスも提供している。世界中で愛される経済情報インフラをつくること、そして世界一幸せに働ける組織をつくることを目指す。
また、「7つのルール」(自由主義でいこう、創造性がなければ意味がない、ユーザーの理想から始める、スピードで驚かす、迷ったら挑戦する道を選ぶ、渦中の友を助ける、異能は才能)を会社の価値観である企業バリューとして掲げ、徹底した浸透を図る確固たるスタイルは、明らかに独自の文化と「ユーザベースらしさ」を確立している。
『ユーザベース』は2回目の登場。今回は、代表取締役の稲垣代表と「NewsPicks」プロダクトチーム:エンジニアの矢野さん、「entrepedia」ウェブ・アプリケーション・エンジニアの小玉さんのお三方に、それぞれ経営の視点と技術現場の視点から、人材育成や「成長」にまつわる企業風土についてお話を伺った。
(以下敬称略)


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世界をかえる経済情報を。グローバルに愛され機能する最強のインフラに

Q】業容の概要と直近の動向は?

稲垣
ミッションとして掲げている「経済情報で、世界をかえる」という言葉に、ふたつの大きな思いを込めています。
「経済」という世の中の基盤である領域に徹底してこだわり深掘りしていくこと。そして、既に日本国内の枠組みだけではこと足りなくなっている情報の範囲をグローバル・マーケットに拡げ、「世界」中のビジネスパーソンの意思決定を支えられるサービスを提供すること。
それを、人のきめ細やかさ、最新テクノロジーによるスケール化といったそれぞれの良さを活かし、有機的にバランスよく組み合わせることによって追求したいと思っています。プロフェッショナルなアナリストの知見をもって情報やデータを分析・マッピングし、そのメンテナンスや展開、精度の向上を機械の学習能力が担うことで、より安定した質のサービスが提供できるはずです。リコメンドもきちんと備えたハイクオリティなプラットフォーム・ビジネスが目指すところ。蛇口を捻れば水が出るようなイメージで、経済というジャンルにおける最強のインフラになりたいですね。

現在の基幹サービスである「SPEEDA」と「NewsPicks」も常時機能を拡張しています。
例えば「SPEEDA」。現状、ご利用いただいているお客様からも評価をいただいているのですが、ユーザー層が拡がってきたり海外での利用促進を進めようとしていく中で、使用目的やニーズも徐々に変わってきています。マーケティング的な用途というか、実質的なビジネス・アプローチの先をフォーカスする目的で使われている方が増えてきました。そこで一部のユーザーの方々にご協力をいただき、行動履歴や成果のデータを分析したうえで、次のアプローチ先をサジェストするプログラムを開発しました。それが2017年5月にリリースした「FORCAS」というプロダクトです。現在はその可能性に期待し、さらなる機能拡充・向上に努めています。

「NewsPicks」は、業界分析や市場調査、企業情報の収集など具体的な目的意識を持って閲覧される「SPEEDA」に比べ、幅広い層のビジネスパーソンの方々を対象としています。日々の経済動向を見るうえで必須である経済ニュースに、より気軽に触れてもらうためのものです。そのためには、ユーザーにとっての身近さやおもしろさ、トレンド、編集としての間口といった側面も必要になってきていて、アプリの使用感やコンテンツの質向上など、「SPEEDA」とはまた別の形でバージョンアップを推進しています。

「entrepedia」においては、国内ベンチャー系企業の情報に特化したデータベースとして、ユーザベースグループであるジャパン・ベンチャー・リサーチ社が開発・運営をしています。これは、ベンチャー動向のデータベースとしては日本最大級だと自負しています。
以前は、ベンチャー企業に関連するデータが極めて少なく、投資家が出資先や企業情報などを調べるのに非常に苦労されていたと共に、ベンチャー企業にとっても情報発信をする場が限られていました。
投資家とベンチャー企業、この両者を繋ぐコミュニティの場を提供することで、日本のベンチャービジネスをより一層活性化していきたいと考えています。

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代表取締役社長(共同経営者) 稲垣 裕介

突然の電話、1年後の再オファー、柔軟な勤務条件出会いは意外の連続

Q】矢野さんと『ユーザベース』の出会いは?

矢野
元々は30歳の頃からフリーランスで活動していました。いろんな案件に携わりながら、その傍らで本を出版したり技術系雑誌の記事の執筆をしたりしていたんですが、その書籍をたまたま見ていた稲垣から、奥付に記載していた連絡先に電話をもらったのがきっかけです。

稲垣
とにかく優秀な人。それが本を読ませてもらって受けた印象でした。当時、新しいメディア開発をサポートしてくれる人を探していたこともあり、矢野が書いていたフレームワークが妙に気になって。良いフレームワークではあったんですが決してメジャーなものではなく、むしろ普通ではないちょっと尖った感じがとても良かったんです。できればこれを使ってぜひ一緒にやりたいと思いました。実はその前から矢野の存在は知っていて。弊社の役員でインキュベーション担当の竹内から、知り合いに素晴らしい人材がいると聞いていたので、なんとか手伝ってもらえないか…と断られるのも覚悟しながら連絡してみたんです。

矢野
突然の電話にびっくりしました。その頃に主催していたフレームワークの勉強会に、竹内が参加していたんです。竹内とはあくまで個人的な付き合いで、彼がすごく有能なプログラマーだということは知っていました。その彼が所属している会社ということで、とても興味があったのですが、ちょうど別の案件での長期契約の最中だったため一旦はお断りしたんです。

ところが、1年後のプロジェクトが終了した時に改めてオファーをいただいて。嬉しかったですね。今なら大丈夫です…って話になって。開発のためのエンジニアやプログラマーが足りないということで、自分ができる領域のことは全部やって欲しいというオーダーでした。
ただ、それまでフリーランスでやってきていた活動も続けたかったため、フルタイムでの勤務は難しいと伝えました。いろんな企業と契約を交わしてきた中で、拘束度の高い条件のところも結構多かったので。でも思っていた以上に寛容で、「問題ないですよ」と受け入れてもらえ、「それなら…」と。そのまま約7年続いています。

稲垣
矢野に最初に声を掛けたのは、創業して1年足らずの2009年頃でした。まだ「SPEEDA」も構想段階だったうえに、主力のエンジニアが先の竹内を含め数人。そんな状況の中で、これからどう事業として成立させられるかということがまさに死活問題で。生き残りを賭けていたんですよね。とにかく、少しでもフォローしてもらえたらと思って連絡したんですが。その時は残念ながらタイミングが合わず。

そして1年後。「SPEEDA」もリリースされ、少しずつ売上げは立ってきていましたが、依然、プロダクトとしては未熟で、「SPEEDA」をどうするのかということしか頭になかった時期でした。そこで矢野の契約終了を待つ勢いでもう一度連絡をしたら了解の返事をもらえて。とにかく嬉しかったですね。
そもそも「自由な働き方」というものを、ずっと目指していたんです。責任ある従事があれば、勤務形態や契約条件にはこだわらないつもりでした。

自分自身もずっとその道でやってきましたが、「エンジニア」という職種自体が“異能”そのものだと思っています。時間や服装の制約なく、自由な環境の中で根を詰めたい。そんな人が特に多い世界です。新たなものを開発するための生命線であるエンジニアが働きやすい会社にしたい。その人たちがどう気持ちよく本気で働けるのか?…をベースに自分たちの文化を作ってきました。だから、矢野の勤務条件に対する申し入れも、全然抵抗はなかったですね。

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株式会社ニューズピックス/プロダクトチーム:エンジニア 矢野 勉

自分の「できない」ことを知ることが「できる」ことの自覚と自信、そして学習意欲に

Q】『ユーザベース』への参画が、矢野さんにとってのターニングポイント?

矢野
結局、継続しているフリーランスとしての活動の一部に『ユーザベース』の仕事を組み込んだ形です。とは言え、7年間もの継続契約は他にはないケースですから、自分にとっては大きな転機になったんだと思います。
それまでは、なんらかの形でエンジニアや技術職が既に稼働している環境に入って、補強したりドライブを掛けたりするといったポジションがほとんどでしたが、ここに参画した時は、とにかくごく少数のエンジニアしかいなかったですからね。サービスの仕組みを、ほぼゼロの状態から企画して開発するというのも初めての体験でした。新しいものを開発するためにエンジニアがより機能する文化…仕事の進め方や働き方そのものを開発することがミッションというのは、自分にとってすごく大きな変化でしたね。

業務プロジェクトの場合、進行のプロセスやスケジュールを丁寧に設定して、それに沿って分業的に進めるのが一般的ですが、オープンソースのプログラマー集団の場合は、随時進捗状況の共有や相談をしながら、作業の順序や優先順位を組み替えつつ進めていくパターンが多いです。かなり違うんです。もちろんどちらも経験していたのですが、個人的には後者の柔軟性が好きだったのといろんなやり取りの中から独自のカラーが出てくるんじゃないかと期待して、『ユーザベース』でのスタイルとしてそちらを提唱しました。竹内さんにも賛成してもらえ、上手く定着していった感じです。オープンソース活動での知見が役に立ちました。

稲垣
文化構築的な部分は、当初からかなり理解をして動いてくれていました。
少し専門的な言い方をすると、「ウォーターフォール」という一般的な大企業や組織集団でのやり方から、「アジャイル」というフレキシビリティの高い開発向きの手法に転換していったイメージなんですけど、最初に矢野が大きなきっかけを作ってくれたのは間違いないですね。

矢野
変化と言えばもうひとつ。
当時に比べると今はすごい人数のエンジニアやプログラマーがいます。みんな多種多様で。異能を大事にするという会社の方針通り、個性豊かなメンバーがたくさん入ってくるんですよ。私にできないことをさらっとやってのける人たちが次々と。それぞれ得意ジャンルもバラバラで。
自分の「できない」ことを目の当たりにする一方で、反対に自分はこれが「できる」ということが改めて自覚できた。これが自分にとってすごくいいことでした。何もかも全部満遍なくできるようになるよりは、得意なことを伸ばして尖らせる方が断然いいって思えるようになりましたね。

ここに来るまでは、問題が起きたりすると、なんとかしなきゃいけない一心で、とにかく本やインターネットでひたすら調べて対処していました。わからないこと・足りないことを埋めることが勉強。あくまで主体的な学習でした。今は周りにいろんな専門家がいる中で、もう少し自分を相対的に見ている感じになっています。自分が活きるポジションはどこなのか? その確立のために何を身につけるのか?…自己成長を意識するようになったというか。学習することの観点が変わりました。
仮に問題が起きたとしても、それは誰が最も適切に解決できるのかを考えて、自分でなければ確実にできる人に任せる。自分であればもちろん対応するし、期待以上の成果が出せるようその領域を磨いておく。全体としてもっと先に行けるために自らが学ぶ。それまでにはなかった感覚でしたね。

社会を動かす新たな事業のサポートを。ビジョンに惹かれフリーランスから社員へ

Q】小玉さんの入社の経緯は?

小玉
私はもともと2012年に『株式会社ジャパンベンチャーリサーチ』(以下『JVR』)という会社に入りました。その会社が、昨年2016年の年末にユーザベースの子会社となり、グループの一員となりました。
それまでは、矢野と同様にフリーランスとして働いていました。ありがたいことに知人からの紹介が重なり繋がって、切れ目なく案件には携われていたし、多岐に渡るテーマのプロジェクトに参加させてもらっていました。当時は若かったしいろんなことに興味があったので、特定の会社に所属し領域が固定気味になるかもしれないことには抵抗があったんです。その時々の自分にとって必要だと思ったジャンルの仕事に、ひとつひとつ頑張って対峙していく感じが魅力的でした。

そして、大学の恩師が一緒だった方の紹介で『JVR』と出会います。現在の『JVR』相談役の北村です。北村との出会いは、それ自体が私にとって転機と言えるほど大きな影響がありましたね。話を聞いて、ミッションにすごく共感したのを覚えています。
その頃の日本は、ベンチャー系のデータベースというものがあまり整備されていないというか、ほぼないと言えるような状況で、新しく何かにチャレンジしたいとか起業したいと思う人にとって、投資の動向を把握したり出資のためのアプローチを検討したりするための情報がなかなか得られないという問題を抱えていました。
北村には、「充実したデータベースがあれば、どこに投資をすると有利か、各種業界としてどういった投資が増えたり減ったりしているのかがわかる。そうなれば、ベンチャー企業も業界も、もっともっと活性化するんじゃないか?」という思いがありました。社会を動かす新たな事業をサポートしたい。その心意気に惹かれ入社を決めました。

稲垣
『ユーザベース』としての次の事業テーマが、ベンチャービジネスに対しての有益な情報提供でした。一方で『JVR』としてもビジネスとしてのスケールアップを望んでいた。国内であれだけのベンチャー・データを持っている会社は他にないということもわかっていたので、一緒にやっていける形を模索し昨年末に決めました。
今はひとつの会社として文化的な統合や技術的なシナジーをうまく進めていくために、北村さんと話し合いを重ねながら、「PMI」(Post Merger Integration)を推進しているところです。

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株式会社ジャパンベンチャーリサーチ/ウェブ・アプリケーション・エンジニア 小玉 祐輝

異能は才能。エンジニア相互の前向きな情報・意見の交換が大きなシナジーに

Q】やはり小玉さんにとっても、企業に所属したことがターニングポイント?

小玉
『JVR』への入社は確かに転機ではありましたが、規模が大きくなかったこともあり、仕事をするうえでの変化はそんなに顕著ではなかったかもしれません。むしろ『ユーザベース』と一緒になった昨年末が、本当の意味での転機だったのかもしれませんね。

エンジニアやプログラマーにとって、フリーランスの形で仕事をしていくことは特にレアなことではありません。その形である程度の需要供給が噛み合っている業態だと思います。その中で、特定の企業や団体への所属を決めるというのは、同時に自分の仕事との向き合い方を変えていかなければならないということになります。また、企業に属するということは、ひとつのプロジェクトを完了したから終わりということではなく、ミッションを達成するために長いスパンで継続的なプロダクト改善を続け、ユーザー価値をしっかりと高めていくことが非常に重要なわけです。そのため、必然的に覚悟の持ち方も変わっていきます。しかも、ある一定の規模を超えると、運営していくうえでの条件や制約も出てきますし。その意味での身構えみたいなものはありましたね。
ただ、その結果発生する可能性のあるストレスみたいなものが、『ユーザベース』にはなかった気がします。想像していた以上に柔軟な環境で。

矢野
そうですね。同感です。
組織として働く側の形を選ばないというか、フリーランスでも契約社員でもいいし、もちろん正規社員でもいいし、リモートでもいい。途中での変更も許容されるし。とにかく、ここで働いてパフォーマンスを上げてくれたらいいという、会社としてのポリシーがすごく明確で。いろいろ見てきましたが、他にはあまり例のない懐の深さですね。自分も長期に渡ってフリーランスの状態での契約でしたが、この5月に『NewsPicks』社の正社員になりました。

小玉
変化としてもっとも大きかったのは、技術的な話がいっぱいできるということですね。しかもかなり中身の濃い。
過去にももちろん、エンジニア同士での情報交換や最新の技術トレンドなどを話す機会はありました。でも、それが毎日もっと広く深くできる感じです。
社内にはテーマ別に各種のチームやプロジェクトが存在しますが、そのチーム内だけではなくチーム間での技術交流が、すごく積極的に行われているのが画期的でした。チーム単位で異なる技術を試した結果が自発的にやり取りされる。社内にいながらにして、外の勉強会に参加しているような拡がりがありますね。

稲垣
エンジニアがフリーでいることの理由のひとつに、常にいろんな技術や最新のノウハウを知りたい・学びたいというのがあると思います。回転がすごく速くてどんどん新しいものが登場してくるので、学習しないことは何よりもリスクで怖いことなんですよね。
現在ある4つのサービス・プロダクトのチーム間でも、意見や情報の交換は随時行われていますし、メンバーの異動や循環も適宜推進しています。矢野も半年前までは「SPEEDA」チームでしたが、「NewsPicks」に移った際に代わりに別のメンバーを「SPEEDA」の方へ。新しい情報に触れるだけでなく、仕事をする場、学ぶ場そのものを変えていけるので、技術的なキャリア形成の幅がある。そこも当社の強みだと思っています。

Q】まさにエンジニアにとっての成長土壌?

矢野
技術系のスタッフがある程度のボリュームでいたとしても 、その間で自由に話し合いができる環境が整っているところって、少なくとも私が今までに参加したプロジェクトの中にはほとんどなかったです。先程、稲垣からもエンジニアは“異能”という話がありましたが、異能だけあってひとりひとり、もしくはユニット単位で籠ってしまいがちになることの方が多かったりするんですね。
でも『ユーザベース』は、組織としてだけでなく日常的にも全然垣根がなくフラットに交流できて。例えば、実質的には私と小玉はグループ会社としてはそれぞれ別の会社の社員ですが、それに「SPEEDA」のエンジニアが加わり、3人で気軽に飲みにいったりもしています。グループ会社と言えども、全員が同じフロアで働いているので、特に会社ごとの隔たりもありません。

小玉
エンジニアは一般の人たち以上に、知らないこと・自分にないことに対する興味の持ち方が強い気がします。知らないことはとにかく聞きたい、教えてもらいたいって感じで。対応するテーマによって使う技術が全然違ったりするので、関わっていない分野となると逆に「まるでわからない」という状態になりがちです。そうなると、経験してないことはどんな話を聞いても楽しくて。とても心地の良い刺激で、知見に溢れている環境だと思いますね。

稲垣
会社のルールのひとつとして「異能は才能」であると相互に認めることを掲げていますが、エンジニアに限らず、まずは自分とは違う才能に興味を持って受け入れることからこそ成長が始まると思っています。特にエンジニアの場合は、技術という共通軸があるので歩み寄りやすいというか、それを体現しやすいんじゃないでしょうか。

小玉
解決したい問題をそれぞれが持っていて、それが似ているにもかかわらずアプローチの仕方は違う。だから、どのアプローチが正しいかという議論ではなく、どれでもできるかもしれないけど最も合理的にできる方法を選びたい。もっと上手くできる方法があるのならぜひ知りたい。それがエンジニアの本音かもしれませんね。

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「NO」と言わない。個々の自意識のあるチャレンジの促進が集団としての大きな力に

Q】企業文化をつくるうえでのポイントは?

稲垣
「NO」と言わないことですね。エンジニアに限定したことではないんですが。
とにかくやればいい、やってみればいいと思っています。過去にやったことのない技術導入もどんどんチャレンジしたらいい。ただし、やる以上はそこから生まれてくるノウハウのキャッチアップや社内での普及活動・開示は必須。リスクや必要な負荷にも責任を持つことがマストです。まずは進めて結果を出すことに学びがあるはずです。学ぶ意欲をより掻き立てる主体性のある環境にしたいんです。責任はあるが自由裁量も広い。それが文化の基盤ですね。

矢野
ひとことで言うと、私たちにとっては「やりやすい」環境ですね。
経験したことはないが、この技術はどうしても試してみたい。でもその機会やリソースが与えられないからできない。だから辞める。そんなケースはエンジニアの世界にはたくさんあります。その「できない」がない。「じゃあやってみれば?」と言われる。ちゃんとした自意識を持っていれば、それを有効に拡げられる自由度がある。これは結構画期的なことです。

小玉
チャレンジするうえで、上手くいかなかったことに対しても寛容なんじゃないでしょうか。ただ、なぜ上手くいかなかったのか?…をきちんと突き詰めることにはシビアです。失敗においても、その結果の知見が蓄積されることを良しとする文化。チャレンジすることを応援する。前向きなやる気をバックアップしてくれる。それが一番のいいところですね。
そんな土壌があるから、余計にスタッフ間での意見のやり取りが活性化するんだと思います。やってみたいことや持論を遠慮なく話せるのはとてもいいことです。いい意味での技術的な議論や喧嘩も日常茶飯事ですね。

稲垣
どうしたらもっと良くなるか?…を追求するための健全な議論は積極的にするべきです。むしろオープンであること、言いたいことや思っていることを溜めないことは良いこと。むしろ仲がいいからこそできることです。
その意味でもうひとつポイントがあるとすれば、「チーム」での取り組みを大事にしていることですね。技術のフィールドでは、個々にタスクを分けひとりで試行錯誤しがちです。そんな閉塞感をできる限り壊したい。チームとしてひとつのゴールを目指す。仮に上手くいかなくても、誰かのせいではなく、チーム全員の責任としてみんなで考えて解決の方向に進む。団体戦としてのメリットと魅力を引き出していくことも、「ユーザベースらしさ」だと思っています。

Q】最後に就活生に応援メッセージを

小玉
ちょっとエンジニアに寄ったことばになってしまいますが…。「好き」な気持ちが人を動かすと思っています。たとえそれが少数派の意識だったとしても、自分の好きという感覚を信じて突き詰めること。情熱を持ってやったことは必ず形になるんじゃないかと。たとえ仕事の現場ですぐに開花しないとしても、諦めず持続させていけばいずれ必ず繋がります。それに本当に好きなことを本気でやれば、きっと後悔はしないはずですから。

矢野
私もエンジニアを目標にしている人に向けてになりますが、プロになろうとした時に絶対に必要なのが「エッジ」です。広く浅くよりも尖っていくこと。得意分野をつくること。そしてそれに徹底してこだわること。他人に何か言われたら言い返して喧嘩してもいい。それぐらい強い“マニア”であり“ヲタク”であれば、多分すごいエンジニアになれると思いますね。

稲垣
自分の後悔を含めて言えば、とにかく「行動」することですね。学生の頃、何をしたらいいのかわからなかったまま、中途半端にしか動けていなかったことを後になって猛烈に反省しました。まずはいろんなことをやってみるべきだった。やって失敗して学んでいたら、もっと早く知見も増えていたと思います。
行動量を増やすこと。そしてそのために、どう動くかの指針となる情報をたくさん集めること。最後にコマーシャルを。「NewsPicks」はためになりますよ。(笑)

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確かに仲がいい。ただしそれは単に波長が合うという次元ではない。それぞれのミッションにおける信念と、相互の信頼や尊敬に裏打ちされた、もっと深い共同体としての繋がりを感じる。そしてそのまとまり感は、プロスポーツのチームを彷彿とさせる。
柔軟であるが故に強い。世界を視野に進化を続ける常勝チーム…それが『ユーザベース』。

 

企業公式サイト http://www.uzabase.com
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